会社のおかげで人として成長できた

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職から162日目)

休職して5ヶ月以上が経過した。
不思議と今の状況が「普通」に感じてきている。
バリバリ働いていた「あの時」が別世界のようだ。

直近まで会社に対して不満ばかり感じていた。
なぜ僕だけこんな目に?
当時の嫌な記憶を細かく思い出しては、呻きたくなるような苦しみに襲われることもあった。

しかし、今は不思議な感覚にこれまた陥っている。
あれだけ苦しみ続け休職まで追い込まれたにも関わらず、
仕事を全力で頑張ってきて良かったと思っている。

そして、会社や上司、お客様、仕事仲間に感謝の気持ちが芽生えている
なぜなら、精進することができたから。
仕事という試練に真剣に向き合ってきて、昔より出来る事が増えたからだ。

「若い時の苦労は買ってでもしろ」と良く言うが、今なら少しわかる気がする。
辛い仕事の数々は、人として成長するためのチャンス。
そのチャンスを会社や上司、お客様、仕事仲間が与えてくれたんだと思うことができる。

器用じゃなくて良かった。
逃げなくて良かった。
あの時があったから、いまという幸せを感じることができる。

明日から心境がどう変化するのかわからない。
願わくば、いまの心境が持続してほしい。
恨みつらみより、感謝するココロの方が、幸せになれるから。

ドライブ旅行の計画

もともと他部門の部長だったが、いまは転職された方からお気遣いの連絡を貰った。
有難い。
その中にあった一文。

いまのうちに旅行に行った方がいいよ!
こんなに自由な時間があるの、今しかないから。

そうだよな。
健康的なカラダで、貯金もある程度あり、時間的自由があるのは、
休職している今は最初で最後だろう。

だからこそ、今のうちにやりたいことを遠慮せずやっちゃおう!
そういえば、憧れの場所があった。
でもそこは僕にとってハードルの高いところで、無意識に「無理だな」と思っていた。
今こそ「無理」と思わずチャレンジしてみては?
そう思い立ち、旅行の計画を練った。

正直、その施設のことしか知らず、どこにあるのかもわからない。
そしてそれはどうアクセスすればいいのかもわからない。
まずは調査し、理想的なプランを練った。

そういえば。
学生のころを思い出す。
昔は自分で旅行プランなんて組めなかったよな。
だいたいはツアーを申し込んでいた。
もしくは一か所だけ巡って、暇な時間を作ってしまっていた。

それが今では最短距離のアクセス方法、そのために必要な日数、移動時間を踏まえ、
ついでに回れるところまで自分でプランをカスタマイズできるようになった。
宿泊先も、自分が抑えたい条件だけ踏まえた安いプランを予約できるようになっていた。

いつから出来るようになったっけ?
そうだ、営業配属になってからだ。
新人のころは上司や先輩から出張手続きをお願いされていた。
自分で予約すればいいのに、喫煙可やホテルブランド、アクセスなど細かい注文が多く、
社長含め複数部屋必要なこともあり、宿泊先を確保するのに苦労したっけ。

新人のころだけじゃない。
休職する直前もやっていた。
プロジェクトリーダーも担って我ながら忙しい日々だったのに、
なぜか新人がやるだろう雑務を後輩でなく僕に振られていたな。

時には「あなたの方が暇そうじゃん」って理不尽に思うこともあった。
でも、そういった雑務を豊富に経験させて貰ったからこそ、
こうやって旅行プランを組むことができるようになったんだなぁ。


人によっては上手く雑務から逃げられる人もいる。
僕は逃げられず雑務を人一倍熟していた自負がある。
でも、逃げられなくて良かった。
辛くても全部真面目に取り組んで良かったと、今は思うんだ。

長時間の運転

目的地までは電車だと本数が少なすぎて、呆然と立ち尽くすしかなくなってしまう。
だからレンタカーにした。

ついでに他にもいろいろ巡ることにした。
高速道路も使って、一日中ドライブ。
こんなに長時間運転するのは数か月ぶりだ。
高速道路に乗るのも久しぶり。

でも事故ることなく無事たどり着けた。
初めての道ばかりだったが、何となく気を付けるべきポイントは分かり、
集中と弛緩を上手くコントロールできた。
眠気が一番怖かったが、眠気防止策として飴とコーヒーは準備万端。
自分の場合は飴とコーヒーさえあれば眠気はバッチリだった。

ふと学生のころを思い出す。
免許を取ったばかりのころ、試しに実家の車で運転してみたが、
パニックになり直ぐ対物事故を起こした。
それ以来、出来る限り運転はしないようにしていた。

なぜ今はこんなに運転できるようになったのだろう。
やっぱり営業配属してからだ。
お客様への訪問が車しか手段がないところがあり、
上司が助手席に座り何度も運転した。
お客様の送迎もする必要があった。

仕事だからやるしかないのだ。
過去に対物事故を起こしたトラウマがあろうが、挑戦するしかない。
会社は「僕が運転することによる事故」という高リスクがあるにもかかわらず、
仕事として僕に成長するチャンスを与えてくれたのだ。

営業部の女性社員は運転しない。
当時の上司たちが車に関する仕事の指示を僕にしかしてこなかった。
当時は理不尽に思っていた。
彼女たちは営業の本職に専念し、僕は上司からの雑務ばかり熟していたから。
でも、今は感謝している。
運転係などの雑務を僕に任してくれたから、僕は昔より出来ることが増えたから。

お給料をもらいながら、人として成長するチャンスを無償で与えてくれたことに、
とても感謝している。

今は感謝と恩返しの気持ちを

目的地のついでに立ち寄ることにした神社寺院。
僕の慣習通り、御守を買い、お賽銭とお祈りをする。
お祈り内容は、いつも通り、日頃の御礼と、僕たちの幸せのお願いだ。

そして改めて思った。
今日こうやって、ここの神様にご挨拶できたのも、
車の運転や旅行プラン作成が出来るようになったから。

車の運転や旅行プラン作成が出来るようになったのは、
僕がリスク覚悟で毎日全力でチャレンジし続けてきたから。


毎日チャレンジし続けられたのは、会社が仕事を通じてチャンスをくれたから。
そう考えると、少し思いや考えが変わってくる。

休職前は確かに辛かった。
死んだ方が楽になれるだろうなと思ったことは何度もあった。
でも、見方を変えれば、多くの社員がいる中で、それだけ辛く大変な重大案件を、
会社は僕に任せてくれた。

人として飛躍的に成長できるチャンスを沢山くれたということなんだなぁ。

お給料をもらいながら、これだけ人として精進させてもらった。
だから、もう少し恩返しを続けよう。
出世の可能性は無くなった。
お金も名誉も地位も本当は欲しい。
でも社会復帰したら、次は恩返しのために頑張ろう。
お金も名誉も地位も必要最低限で。
足るを知り、チャンスをくれた仕事に関わる人たちへの還元のために尽力しよう。
それでまたダメになって倒れてしまったら、その時に辞めればいい。
今はそう思えるんだ。

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