20XX年〇月△日(休職から271日目)
今日からリワークデイケア2週目。
先週同様、週3日通う。
先週はおもにこんな感じだった。
- 初日は緊張で疲れるも思ったより居心地が良かった。
- 2日目はみんなが優しくて楽しく過ごせた。
- 3日目はなぜか無理をしてしまってドッと疲れた。
昨日カウンセリングで上記を話し、なぜ疲れて落ち込んでしまったのか悩みを相談した。
するとカウンセラーから宿題が出される。
まずは出来ない自分を許してあげましょう。
気が楽だなぁ~って思うことをやりましょう。
これを意識して実践してください。
1か月後のカウンセリングで教えて下さい。
だから今週の僕の目標は上記だ。
朝からなぜか憂鬱な気持ちになっている。
なぜか朝から自分を責めてしまう僕がいる。
上記を実践することで、少しはこの問題を解決できるのだろうか。
不安に思いながら出所した。
「そうか、ここはリワークデイケア施設なんだ」
1つ目の目次タイトルを見て、
「なに当たり前のことを言っているんだろう?」
と思うかもしれない。
でも、これがリワークデイケア4日目の最初の強い記憶。
まずは早朝ミーティング。
4名1グループになり、先週の振り返りを順番に発表する。
先週の最終プログラムで、
今週はずっと同じ面子になっちゃったから、
来週はグループを変えよう!
という意見があり、面子がガラリと変わる。
その中には、先週の最終プログラムで何も意見をくれなかった人も居て少し内心気まずい。
(上記の最終プログラムについて不明な方はコチラをご覧ください。)
え~・・・先週はぁ、、、1週間ずっと気が滅入ってしまって。
プログラム中どうしても辛かったら仮眠を取るなどして何とかやり切りました。
最初の方の発表を聞いて意外だった。
あんなに堂々としていて自分をしっかり持っている感じなのに、
そんなに落ち込んでいたとは思いもよらなかった。
僕は藁にも縋る思い出で質問した。
もの凄く落ち込んだ時、どういう心構えでプログラムを乗り切りました?
この方はリワークデイケア3ヶ月目。
もしかしたら特別なノウハウがあるかもしれない。
そしたら意外な答えだった。
まず布団から出るのが辛いんです。
だから目が覚めたら、反射的に足で布団を剝ぐようにしています。
思考する前に行動しちゃうんです。
そうすれば次に行かざるを得ないですからね。
でもこれは諸刃の剣でもあるんですけどね。
先週プログラムで習った『行動活性療法』のまさしく実践だ。
でも「諸刃の剣」っていうのは凄くよく分かる。
それで行動し続けた結果、とうとう色々と追い付かなくなって、過労で倒れてしまった。
この方はその面も分かった上で、その方法を選ぶ決心をしたんだなぁ。
次に僕の発表。
昨日カウンセラーに助言頂いた通り、正直に打ち明けることにした。
最終プログラム後に疲れ切って落ち込んだこと。
カウンセラーから自分を許すことと、気が楽なことをすることを宿題に出されたこと。
それを今週の目標にすること。
みんなを困らせてしまうかなとドキドキしていたが、意外な反応だった。
へぇ~!意外でした。
あんなに人を褒めるのが上手なのに、
自分を褒めるのは苦手なんですね!
すっごいよく分かる~っ!!!
なんでこんなことも出来ないんだろうって、自分を強く責め続けちゃんですよね~!
私なんて初日で疲れ切りましたよ。
サトウサンは凄いなって思ってました。
カウンセラーの言った通り、
相手が自分に関心を持って相互理解が深まり学びになっている雰囲気を感じた。
また、困らせるどころか共感が起きた。
ネガティブなことを言ったのに、そのおかげでグループ内に受け入れられた不思議な感覚だった。
そして前回の最終プログラムで意見をくれなかった方の発表。
気付いている方もいるかもしれませんが、
先週最終日は体調が悪くて、何もせずに静かに過ごすようにしていました。
あと友人と食事したんですが、2時間くらいってちょうどいいですね。
短過ぎず気疲れせず楽しく過ごせる…。
そうか、あの時は体調が悪かったから意見せず静かにしていたのか。
そういえばよくよく考えると、この人はもの凄く気配りが出来るけど、
どことなく疲れ気味で沈みがちな印象かもしれない。
4日目にして初めて理解した。
そうか、ここはリワークデイケア。
みんな復職のためのリハビリで来てる。
だからみんな、僕と同じでココロの治療中なんだ。
実際に一緒に過ごすと人間味があって魅力的な人達ばかりなので、
その事実をすっかり見落としていた。
当たり前なことのはずなのに、実際にお会いしていると、その事実に衝撃を受ける。
痛みを知っているからやさしくなれる?
次に職員さんとも話した。
最終プログラム後に疲れ切って落ち込んだこと。
カウンセラーから自分を許すことと、気が楽なことをすることを宿題に出されたこと。
それを今週の目標にすること。
凄くイイですね!
一週間でそこまで分かるなんて素晴らしいじゃないですか!
そうですね、それを目標にしてください。
あと、ご自身にとってベストな休み方も探してみて下さいね。
これもカウンセラーの予想通りだったのかもしれない。
お話しした看護師さんは凄く褒めてくれ、温かい言葉を投げかけてくれた。
たしかにカウンセラーにも言われた。
たった3日でそこまで自己理解が深まるなんて凄い効果ですね!
プログラム頑張ろうと真面目に真正面から取り組んだからだと思う。
だからこそ苦しんだけど、それが治療には良かったのかもしれない。
やはり、脇道に逃げて斜に構えるのではなく、
何事も正面から向き合うのが、
その時は辛くても一番の近道なのかもしれない。
他のプログラムで他の受講者と話す機会があった。
その方は愛嬌があり周りを賑やかに温かい雰囲気にしてくれる人。
フレンドリーで愛のある人だと思っている。
その方から突っ込んだ質問があった。
サトウサンは休職してどれくらいでココに来たんですか?
正直に答えた。
いやぁ~長いんですよね~。
もう9ヶ月くらい掛かっちゃって、復職には1年くらい経っちゃいそうなんですよ。
そしたらあっけらかんと返答。
なぁんだ。
長いのか~って思って聞いてたけど、普通じゃん!
私も同じくらいだし!
そっか、適応障害で休職すると、1年くらいは普通なんだなぁ。
私は休職して6ヶ月間くらいは会社のことが気になっちゃって、
早く戻らなきゃって思ってたんです。
でも6ヶ月後に、もう仕事がひと回りしちゃって、もう私が引き継ぐこと無いなって。
そしたら一気に気が抜けたんです。
主治医からは「今からやっと静養期間ですね」って言われたんですよね~。
驚いた。
僕も全く同じだ。
「もう今さら」と開き直って、
会社のみんなのためより自分のために休もうって思えたのは、休職して6ヶ月後くらいだ。
そうか、みんな同じなんだ。
同じような時間と経験を経て、今こうして同じ施設にいるんだ。
そしてこんな魅力的な人たちが、みんな同じように苦しんできたんだ。
正直今の僕には、会社より施設の人たちの方が人格者だと思う。
人間味があって思いやりに溢れていると思う。
それはきっと辛い経験をしてきたからこそ、人として成熟しているのだろう。
そう考えると、健常者と精神疾患者の違いってなんだろう。
今一緒に治療をしている施設のみんなの方が、僕には健やかに見える。
会社やお客様の方が精神に問題山積みの人が圧倒的に多いと思う。
それなのに、そうした人たちが「健常者」と呼ばれ、今この瞬間も社会をリードしている。
いまの僕からしたら、「精神に問題山積みの人」が社会を支配していて、
そうした支配者がココロやさしい魅力的な人々を「病気」という枠組みに追いやっているようにしか思えない。
むしろ「健常者」こそリワークデイケアのプログラムを受けるべきなんじゃないか?
一体、健常者と精神疾患者の境目ってなんなんだろう。
そんなことを思う今日この頃。
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