リワークデイケア開始②

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職から265日目)

昨日のことを思い出す。
こうやって振り返りをすると、頭の復習にもなって良いなと思う。

今日は11時間も寝てしまった。
目標通り早寝を実践したが、いつもと違って直ぐに寝入ってしまった。
やはり新たな組織・コミュニティに属すというのは、
どんなにアットホームでも疲れ切ってしまうようだ。

そしてこうやってブログを書いて昨日を思い出す。
午後の部も僕にとって学びの時間だった。

一番感じたことは、組織という枠組みから優しい人が淘汰されているって事実だ。
何かしらの組織やコミュニティでは、無神経だったり横暴な人が強いアクションを起こし、
その煽りを他人を気遣える優しい人が受けてしまう。

今の僕は思ってしまう。
精神疾患と言われる人々が本来正常で、
会社に勤める一般人の方がココロに問題を抱えているのではないかと。
そういう「一般人」にこそ、ココロの教育をするべきなんだろうなぁ。

リワークデイケアと一般デイケア

昼休憩は職員に言えば外出可能。
デイケアの方針として、昼休憩はしっかり取ること。
そのためか、休憩時間は1時間以上も確保されていた。
ゆっくり食事が出来るのは有難い。

外で食事を済ませ、施設に戻っても15分くらい余裕がある。
他の参加者は各々自由に過ごしていて、会話を楽しむ人もいれば、スマホを見ている人もいる。
ここらへんは会社の昼休みに似ているかもしれない。
僕は仕事漬けだったけど・・・。

こういう時、僕自身が感じている僕の悪いところが出てしまう。
こういう1つの組織,1つのコミュニティに属すると、
自由時間の時にどうすればいいのか分からなくなってしまうのだ。

いや、正確には会話に入りたいけど入れない?
会話に入りたいけど入りたくない?
話したいけど、既に出来上がっているコミュニティに入る勇気が無くて、
自分が入ることでコミュニティを壊してしまうのではないかと縮こまってしまって、
身動きが取れなくなってしまうのだ。
自分が何をしたいのかも最早分からなくなってしまって、
居心地が悪くなってきて辛く感じてきてしまう。
気付けば無理をしているような状態になってしまう。
やはり僕はコミュ障だなって自認してしまう。

すると一人、僕に話しかけてきてくれた。
僕よりだいぶ若そう。
さっきまでリワークデイケアには居なかった。

キミ名前は?
サトウサンっていうのか。
サトウサンは○○好き?
サトウサンは△△好き?
サトウサンは◇◇好き?

お名前を聞くことはできたが、その後の質問に答えて「キミは好きなの?」と聞き返しても無回答。
直ぐに次の質問に移ってしまい会話が続かない。
少し個性的な方だった。
でも凄くフレンドリーで気にかけてくれているのは伝わる。
その優しさと温かさが嬉しかった。

気付けばお昼休憩が終わり、午後の部が始まった。
彼は別の部屋に移動。
どうやら一般デイケアの参加者らしい。
僕が参加しているのは復職のためのデイケア。
それに対し、未就労の方など様々な事情を抱えた方向けの一般デイケアがある。

あくまで僕の捉え方だが、
リワークデイケアが復職のためのリハビリセンター。
一般デイケアは生きるためのリハビリセンター。
そんな感じで認識している。

デイケアの面白いところは、リワークデイケアと一般デイケア合同の授業もあれば別々の授業もある。
1日居る人もいれば、午前中だけ、午後だけの人もいる。
全授業出る人もいれば、1つだけ授業を受けて帰る人もいる。
本当に多種多様でバラバラなのだ。
なんか社会というコミュニティの縮図のようだ。

みんな違って、みんな良い。
それをカラダで学ぶことができて、なんか嬉しい。
午後の部も頑張ろう。

脳トレ

午後最初の30分間は作業時間。
指定された作業どれかを選び実施する。
例えばこんなもの。

  • アンケート調査(ダミー)の集計
  • 仕分け作業
  • 書類作成

目的は認知機能のトレーニング
休職していると、どうしても働いていた時の、いわゆる勘が鈍る
実際、復職してよく陥ることが、
「元気なんだけど、以前のように業務遂行が出来ず落ち込む」ことらしい。
精神疾患は脳機能の低下が原因という一説もあるくらいだし、仕方ないんだろう。

そこで作業時間でリハビリってことだ。
職員さんから教えられたポイント!

軽作業でのポイント
  • どうやったら効率的に出来るか考え試行錯誤する
  • 無理せずマイペースに作業する
  • 正確性とスピードの両立

これらを意識してほしいということだった。
今日は試しに仕分け作業を実践。
これが奥が深い。
指示書と見本、仕分け対象品、仕分け袋、発注書がバラバラに置いてある。
煩雑に置かれた仕分け対象品群の中には欠品もあって、
それは発注書?持ち出し伝票?に記録して、補充コーナーから新たに持ち出すのだ。
ウチの会社と全く同じ状況になっていて思わず笑いそうになる。
たしかに良いリハビリになりそうだ。

マイペースが大事

次に書道の時間。
写経を1時間やることに。
職員さんに言われたのは、あくまでノルマはないということ。
先ほどの作業時間もそうだが、これで評価することは一切無いという。
だからこそ、自分で目標を決めて、自分のペースでやるようにということだった。

1時間ぶっ続けでやるのもヨシ。
時間で区切って休憩を取るのもヨシ。
1枚書き終えたら休憩を取るのもヨシ。
雑談をしながら写経するのもヨシ。


この時間は職員さんも交じって、みんなで輪になって取り組む。
驚きなのが職員さんが率先して雑談しながら写経に励む。
そしたら受講者も雑談に交じる。

僕の悪いところが出てしまい、話に交じりたいんだけど、
既に出来上がった感じのコミュニティに入る勇気が無い。
あと、写経しながら会話をする器用さが無い。
結局、話を聞いているだけでも楽しいが、リスナーとして写経に励む状況に。

休憩も周りが会話を楽しみながらも写経し続けているので、取りにくい。
気付けば自分で決めた休憩時間を超えて写経し続けていた。

そうか、こうやって組織に交じりながらもマイペースに過ごす術を身につけていくんだな。
周りに流されちゃダメなんだ。

恐る恐る立ち上がり、トイレ休憩。
戻った時に怒られるかな?
そんな不安もあったが、戻っても何も言われることはない。
これでいいんだ。
無理をせず、周りに流されず自分のペースで気持ちよく作業をする。
これを大事にして意識して身につけていこう。

コミュニケーションスキルは選択肢を増やすこと

今日のリワークデイケアも残り1時間となった。
最後はコミュニケーションスキルを学ぶ。
職員さんに言われ学びになったのはこちら。

新しいスキルを生み出すのではなく、
選択肢を増やすことが大切です。

そうか、たしかにコミュ障でも、選択肢を増やすって感覚なら僕にも出来るかもしれない。

そしてあとはグループを組み、グループ内でテーマに沿って模擬実演をして、
周りから意見を貰う。

面白いのは事前ルールだ。
嫌だったら「パス」を使えること。
意見は否定NG、良かったことを言う。
あとは「こうしたらもっと良くなる」と追加意見を言う。
具体的に意見を言う。

たしかに「パス」を使えるようにすることで、
「断る」こともコミュニケーションの1つだと実感できる。

最後に職員さんがNGコミュニケーションを実例として出す。
「そりゃそうだ」と思う事例の中で1つ学んだのが「同意」。
違う時にはちゃんと説明をしないと、「同意」はその場ではやり過ごせるが、
面倒な人が相手だと後日ドツボにはまることになる。
こうして1日を終えた。

組織って難しい

初日を終えて思うのは、「思ったより疲れた」だ。
施設内の組織・コミュニティは良い人ばかりだ。
同じような境遇の人たちだからだろう。
そこはほんと、【やさしい世界】だ。
それでも疲れる。
既に出来上がったコミュニティに入り込むこと。
空気感。居場所。過ごし方。規律。
組織という枠に当てはめるだけで、こんなにも神経を使い疲れるものなのか。
数か月間、現場から離れて初めて自覚した。

また、コミュニケーションスキルの授業で模擬実演をしたが、
みんな素敵なコミュニケーションだった。
相手を思いやり自分の意志も伝えている。
そこで思うんだ。

「なんでこういうコミュニケーションスキルを身につける必要が出たんだろう。」

僕の答えは、そういうコミュニケーションスキルが無い人がいるからだ。
でもこの場にいる方々は皆出来ている。
では出来ない人って?

それは会社に居座り続ける所謂「一般の方々」。
彼らが思いやりのない横暴なコミュニケーションを取るから、
精神疾患を発症する人々が出てきてしまうんだ。

本当はこの場にいない人々にこそ、コミュニケーションスキルの授業をやるべきなのでは?
義務教育の必修科目にすべきなのではないだろうか?
そんなことを考えさせられる初日だった。

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