お世話になったお客様との再会

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職から52日目)

今日は昔お世話になったお客様と会う約束をしていた。
もう担当を離れて7~8年くらい経つだろうか。
それなのに、休職直前。
誰から聞いたのか、わざわざLINEを送ってくれたのだ。

体調崩されたと聞きました。
眠れていますか?
心配です。

もう長くお会いしていないのに、年末年始などにも連絡をくれる。
凄く有難いし、嬉しかった。

せっかく休職で時間ができたから、お客様が良ければ一度お会いしてみよう。
いろいろ振り返り、いろいろ学び得られるかもしれない。

数年ぶりの挨拶

待ち合わせ場所に1時間前には到着。
久しぶりだからドキドキする。
しかし、実際にお会いすると、数年前と変わらぬ姿で笑顔で挨拶できた。
お元気そうで良かった。

事前にLINEでお店は話し合って、人気のガレット屋さんを予約していた。
ガレットって、よくよく考えると初めて食べるが、軽く食べられて美味しい。

なにがあったの?

今日はいろいろ話を聞こうと思っていたのだが、先に質問を受けてしまった。
気付けば、事の経緯を詳しく話していた。
お客様はじっくり聞いてくれていた。

大変だったねぇ。
いまはゆっくり休もう。

短かったけど、お客様の思いやりが温かかった。
これだけでもう、会って良かった。
今まで仕事頑張ってきてよかった。

お客様の意外な近況

次にお客様の近況を聞いた。
当社の今の担当者はたしか営業課長だ。
前にLINEでサービス内容の説明を聞かれたことあったけど、
そういえばなぜ僕に聞いてきたのだろう?

おたくの営業課長さん。
メールしても全っ然返信がないのよ。
電話しても繋がったことなんて滅多にないわ。
折り返しの電話すら来ないのよ!?
どうすればいいのか頭を悩ませているわ。

なんてことだ。
営業課の数次集計や報告会議資料作成も全て仕事を僕に押し付けていたのに、
自分の担当先のケアすらしていなかったのか。
あまりの衝撃に唖然としてしまった。

ねえ、サトウサン。
もういちど担当になることはない?
一番良くしてくれたのはサトウサンなのよ。
また一緒に仕事がしたいわ。

凄く嬉しかった。
この約10年間。お客様の立場にたって仕事をするを理念に仕事に励んできた。
お客様というのは、何も顧客だけのことではない。
’’仕事に関わる人’’はすべてお客様の定義内だ。
同僚や他部署の人、下請先も、お客様の精神で対応してきた。
ときには面倒事をすべて押し付けられ苦汁を強いられることも再三あった。

理念を貫き続けることは、砂漠に水を撒くような虚しさの連続だった。
でも、お客様からこうやって直接オファーを受けると、
自分が徹底してきたことは間違ってなかったなって思えるんだ。

初心を思い出す

そう言って頂けて凄く嬉しいです。
でも、難しいかもしれませんね。
これからどうなるか分からないですし。
もし復職しても別部署かもしれません。
何より、あれだけの仕事量だと、
昔みたいにお客様だけ専念して仕事するのがどうしても難しいと思うんですよね。

またお客様の担当が出来たら嬉しい。
でも、昔みたいに満足いただけるサービスを提供できないかもしれない。
そう思うと、辛い。
思わず、正直にお答えしてしまった。

そうよね。
それで過労で倒れたんだものね。
叶うなら、復職されて、ウチだけを担当してくれたらいいのにね。

でもまずはしっかり休養してねと最後に締めてくれた。
営業マンとして、これ以上の営業冥利に尽きることはあるだろうか。

そういえば、休職するきっかけの1つになったお客様にも、
社長と部長同席の接待で1時間悪口を言われ続けた時に言われたっけ。

サトウサンはウチだけ担当してればいいのよ!

そう思うと、あのお客様にも営業マンとして誠意を持って尽くしたことは伝わっていたんだろうか。

数年ぶりに、お世話になったお客様と会って、当時のことを思い出すことができた。
あの時はお客様の満足のために、社内でも戦い、お客様もそれに応えてくれて、一緒により良き未来に向けて走っていた。
それが今でも縁として残っている。
たぶん、あの時の僕は間違ってなかったんだろう。

じゃあ最近はどうだっただろう。
上から「売上伸ばせ」・「営業利益を伸ばせ」・「お客様に押し込め」・「頼みこめ」と大量の要求を熟すことに辟易していた。
その中で、出来る限り「お客様のために」を意識して仕事してきたつもりだ。
その理念と会社からの要求を両方叶えようと全力を尽くした結果、倒れてしまった。
休職は致し方なかったんだと改めて思った。

自分の理念は間違ってなかった。
社会復帰しても、やはり僕は「お客様のために」を第一に努めていくのだろう。
それでまた倒れても、仕方がない。
これで良かったんだと、思い直すことにした。

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