20XX年〇月△日(休職から215日目)
休職して約7ヶ月。
今の生活にもだいぶ慣れてきた。
過酷な労働も、はるか昔のことに感じる。
昔と違って、テレビやネット動画を見る時間が増えた。
ニュースを見るのは、働いていた時の夢だった。
ニュースを見て時事問題や社会情勢をマイペースに学ぶのが憧れであり、
忙し過ぎてどうしても実現できないことだった。
毎日夜25~26時に帰宅し、無意識に身支度をして、気付けば朝。
慌てて家を出て、また夜中に帰る繰り返し。
それが今、夢が叶ったのは喜ばしいことだ。
でも、ニュースやバラエティ番組、ドラマなどを見ていると、
日々を懸命に生きている人々が映し出される。
それを見るたびに、涙が出そうになるのである。
かつてはそこにいた
ドラマやドキュメンタリー番組を見ていると、フォーカスしている人物それぞれにドラマがある。
苦悩や挫折、壁を乗り越えるための努力と涙と汗が描かれている。
ある人は日が昇るまで休憩時間が取れず、徹夜で肉体労働の追い込みに励んでいる。
ある人は部下の対応に追われ、夜からやっと自身の仕事に取り組み始める。
それを見て思う。
これ、あの時の僕だ。
顧客の緊急案件や上司の無茶ぶり、プロジェクトメンバーや他部署からの相談で、
自身のタスクを夜20時から始め、毎日23時半まで働いていた日々。
朝4時まで顧客対応した、あの時。
その時の辛かった気持ち,必死だった記憶が蘇り、胸がグッとなる。
あの時よく耐えられたなと、よく今まで死なずに生き残れたなと目頭が熱くなる。
そして今は日々努力し研鑽を積んでいた現場から離れてしまったことに寂しさを思う。
痛み、悲しみ、達成感、開放感、空虚感、悔しさ。
いろいろな感情が溢れてくる。
ただ確かなことは、そういった想いと足跡があって、今がある。
地上の星にエールを
ある人は徹夜明けにやっと食事にありつけた。
朝からやっている定食屋。
疲れ切った顔で、夕食兼朝食を味わう。
ふと頬が緩む。
その気持ちは痛いほど分かる。
過剰業務や重責に追い込まれた後の、一区切りついた時の食事は得も言われぬ幸せがある。
本来ならそんな苦労をせずとも得られた喜びなはずなのに、
より一層得をしたような錯覚に陥る。
そう、人って日々毎分毎秒、汗水垂らして地道に頑張るから、
当たり前のことに幸せを噛みしめられるんだ。
そういう常日頃努力して生き抜いている人。
努力を積み重ね続けている人にエールを送りたい。
ココロから賛辞と声援を送りたい。
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