20XX年〇月△日(休職から191日目)
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日本電産(ニデック)の創業者、永守重信さんに関する本を読んでみた。
永守さんは名経営者として知られている。
1973年に創業し、2015年に売上高1兆円を達成した敏腕経営者だ。
僕は残念ながら永守さんの理念は肌に合わなかったが、
仕事のやり方や経営手法、Howto的には大変勉強になった。
個人的に学んだこと、感じたことを記したいと思う。
社長はこれを目指していたのだろうか?
日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方
永守さんの個性あふれる独自の経営は、ハードワーキングやガンバリズムの代名詞のように言われている。
コスト削減の鬼で、新たにグループ入りした再建企業には1円以上の購入費すべてで申請書を上げさせ、
永守さん自身が諾否を判断している。
毎月のように海外出張をしながら国内顧客を訪問してトップセールスをこなし、
その合間を見てグループ会社の本社、工場、研究所を回って指示をしながら社員と食事会でコミュニケーションを取り、
移動時間と土日は頻繁に来るメールに目を通し返信をする。
この内容を見て、当社の社長を思い出した。
全く同じことをしているように思う。
もしかしたら、社長も永守さんを見習おうとしているのかもしれない。
社員の士気を意識しているのも共通だろう。
でも、本当の意味で社員の士気向上できているのだろうか?
全社員研修など交流の機会を作ってくれているが、自己満足になっていないだろうか?
全社員研修に至っては、繁忙期の金曜日に強制参加だったせいで、
研修後の夜中にクルマで移動し、寝不足で土日仕事をこなし、12連勤となった。
モチベーションなど上がるわけがない。
その取り組みはカタチだけになっていないだろうか?
社員一人ひとりの顔とココロを見て士気向上を図っているのだろうか?
権限移譲と責任移譲は違う
日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方
本書のなかで印象に残った内容を下記まとめる。
権限移譲すると、そのまま放任してしまう管理者がいる。
権限移譲を責任移譲と勘違いしてしまう。
権限は渡しても責任を取るのが管理職の仕事。
だから、権限を委譲しても、常に見ていなければならない。
結果に対する責任は、管理職の側にあるのだから放任などできるはずはない。
当時いちばん規模の大きかったプロジェクトを引き継いだ。
前々任が始めたプロジェクトだが、既に退職済み。
その後引き継いだ前任の営業課長は、
「俺なにも分からないから、あとはよろしく」
っていう状況だった。
その後何も分からないなかトラブルが多発したが、
営業課長は「俺もう関係ないから」とすべて僕に押し付けた。
ある時は営業部長から「何とかしろ」と叱られた。
ある他部署の部長には後日言われた。
あれだけ大きなプロジェクトを引き継ぎゼロで担当して、
あれだけ上司が完全に放任してたら、誰だってココロが病むに決まっているよ。
本書では「幹部や管理職の場合はリスク管理が重要な仕事」と書いてある。
2日に1回は計画に対する進捗を見て、直ぐに対策を取っていたという。
本書を読んで改めて思った。
営業部長と営業課長は、本当の意味で『管理職』としての仕事を全くやっていなかったんじゃないだろうか。
永守さんが挑戦や改革をするときに心掛けていることの1つ。
当然、自分も一緒になって作業する。
押し付けて逃げることなどありえないから。
人を動かそうとするときに大事なのは、ココロと情
日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方
こんな内容がある。
大勢の前で部下が怒られているようなときに、
他人事のように振舞い、手を差し伸べられないような上司ではダメだ。
部下を助けられるココロと情の行動が大事だという。
ここ2-3年で営業課と物流課は中堅社員が大量に辞めている。
少なくともそのうち2名、会議での記憶が蘇る。
事業部に関係する全社員の前で、社長が説教を始め公開処刑。
ふたりとも上司に根回ししていたのに、営業部長はその間ひと言もフォローせず、
お葬式のように沈黙を守り続けていた。
反面教師として自分も気を付けていきたいと思う。
なんでも営業責任は無理
日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方
休職前、よく議論になった。
『売上を重視すべき?利益を重視すべき?』
人によって意見は変わるし、幹部もコロコロ意見が変わる。
本書のなかで、その答えを見つけた気がした。
会社の利益を生むのは製造部門。
会社の将来を決定づけるのは開発部門。
営業部門は売上高を限りなく拡大させる責務を担う。
間接部門は内部的には社員が働きやすい職場環境をつくり、
外部的には世界に通用する一流企業づくりに邁進する。
これが答えでしょ?
利益も売上高も営業がすべて責任持てなんて難しいに決まっているんだ。
お客様からは「コレが欲しい」と言われているのに、
「それは利益率が低いからダメ」と言われる。
「利益率が高いからこっちにしなさい」と指示され、
「それはダメでしたが、こっちならOKです」とお客様に回答し、
お客様は困惑しガッカリする。
ここ最近の営業活動はこんな罪悪感が付きまとっていた気がする。
それじゃダメなんだ。
お客様が「コレが欲しい」と言ったら、「喜んで」と営業部門は引き受けて売上高と顧客満足を最大限に向上させる。
その注文に対してどうやって利益を上げるか製造部門が知恵を絞る。
本来はこうあるべきなんだ。
営業部門は売上高を伸ばすことに集中すべきなんだ。
それどころか、営業部門は売上高と利益の両方の責任を担わされ、
さらには社員が働きやすい職場づくり、一流企業づくりの責任まで担わされている気がする。
もちろんすべて大切なことだが、部門分けしている時点で分業化は必須なはずだ。
職務分掌が曖昧な業務があったら、「社員が働きやすい職場づくり」という面で、
間接部門の仕事じゃないだろうか?
それまで結局営業部門が対応することになり、
売上未達だと「営業部門が仕事しないから悪い」と言われるのは、
理不尽以外の何物でもないと思う。
業績や売上・シェアを重視すべき理由
日本電産 永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方
今まで僕は業績や売上は重要だが、最優先ではないと思っていた。
一番重視すべきは「満足度」だと思っていた。
・顧客満足度
・社員満足度
今でもそう思っているし、売上のために社員や顧客が悲しい思いをするのは会ってはならないと思っている。
でも、本書を読み、顧客満足度・社員満足度を高めるために、
売上高と業績・シェアの拡大は重要だと認識した。
成果を上げられなければ、結局部下に報いることはできないから、やがて離れていく。
まずはシェアを取ること。
高いシェアを取れば、生産量が増え、設備稼働率が上がって、コストが下がるから利益は増えていく。
それを原資に価格競争を続けるか、研究開発・設備投資で競争力を強くすればシェアはまた上がる。
好循環になる。
もはや世界の競争は単純な長時間労働で勝ち抜けるレベルではなくなっている。
それを見越した上で、生産性向上に本格的に突入したのだ。
成果を上げて勝たないと、発言力(要望する根拠)が無くなり、
結果、予算も人員も得ることができない。
部下の昇進昇給,人員確保や設備投資による労働環境緩和という還元ができない。
予算も確保できずお客様の要望を実現化できない。
だから、社員満足と顧客満足を追求するためにこそ、
成果≒売上・業績・シェアを出さないといけない。
それを強く再認識することができた。
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