「ビジネスマンの父より息子への30通の手紙」を読んで

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職から186日目)
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休職して約6ヶ月。
生活リズムも結構変わった。

休職前はとにかく仕事。
昼食休憩も15分しか取れなかったし、毎日午前様帰り。
仕事以外に何やっていたか最早覚えていない。

休職1~2ヶ月くらいは旅行に出かけまくり、今まで会えなかった友人と交遊しまくった。
当時は休職期間3ヶ月推奨と言われていたし、
とにかく思い残しが無いようにアクティブに動きまくった。

休職3ヶ月目に新たに軽躁病と判断され、それからは大人しく静養する日々が続いた。
近所のプールで運動したり、ブログを書くなどして過ごしてきた。
そして、ある程度穏やかな日々に慣れてきて、読書で学びたいという気持ちが強まった。

うつ病になったら読みたい本。
課長になる人に読んでほしい本。
会社を辞めるか悩んでいる時に読みたい本。
etc…。

特に営業部長や営業課長を見てきて、
『組織で生きていくということ』
『課長とは?部長とは?』
『権限と責任とは?』
『組織と個人とは?』
ここらへんについて悩み考えることが多くなった。

その中で課長になる人に読んでほしい本の中で、下記書籍がオススメと出てきた。


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

タイトルの文字通り、父親が息子のために残した手紙で、
人生論のあるユニークなビジネス書として全世界でミリオンセラーとなった名著。

読んで本当に良かった。
自身が学んだことを綴りたいと思う。

部下を持つ立場のあるべき姿


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

この本は何歳になっても学べる本だと思う。
個人的には、前半は10~20代の若者向けだと思う。
もっと早くこの本に出合えていれば良かった。
いや、出会えていても僕自身が未だ時期が訪れておらず、読んでも吸収出来なかっただろう。
今がベストなんだな。

でも離職率の考え方は学びになった。
最近、会社は離職率が増えていると思う。
人事部長はあの人の退職は特例だのと言い、
理屈をこねて実は離職率は変わらず低水準というが、
約10年所属する身としては退職者・休職者がメチャクチャ増えているという実感。
離職率について、本書では分かりやすい提言があった。

仕事をこなせるまでに社員を仕込むには金がかかる。
職務によってはかなりの費用になる。
経営の効率を最高にしようと思えば、社員の離職率を低く保たなければならない。
訓練したばかりの社員に絶えず辞められれば、利益はすべて社員の訓練で吸い取られてしまう。
したがって、部下の士気を維持することは、その雰囲気が好ましいだけでなく、必要条件なのである。

ただ単に「雰囲気が好ましい」だけじゃなく、指導者として必須条件と断言している。

長年働いている部下の成績が下がっている時、
立ち止まって反省するように。
社員がひとりの人間として、その最優先目的、職務を果たした満足感を得るように、最善を尽くしてほしい。

営業課はここ2,3年で中堅社員が3人辞めている。
もともと10人前後で回している課だから、約3割がいなくなっていることになる。
果たして指導者としての役割を果たしていると言えるのだろうか、営業部長,営業課長。
そして1年以内に僕と中途採用者の2名が休職してしまっている事実を、
立ち止まって反省すべきではないだろうか?

中途採用者といえば、退職者による人員不足で急遽数名の中途採用者を昨年取った。
一方、新卒採用は5~6年、営業課ゼロである。
本書では採用についても実に明快な提言がある。

競合を辞めたいと言って近付いてくる人には警戒しないではいられない。
何らかの理由で競合でうまくいかないだけである。
いずれにしても、私たちの社員は最初から私たちのやり方で訓練する方がいい。
老犬に新しい芸を仕込むのは難しい。

本書執筆時に比べ、今は転職が当たり前の時代なので、
中途採用自体に批判するつもりはない。
実際、今回営業課に来てくれた中途採用者は良い人たちばかりで、
人事の見る目を褒めたい気持ちである。

しかし、ポイントは「私たちの社員は私たちのやり方で訓練する方が良い」というところだ。
営業課の仕事内容は、ハッキリ言って、他者の営業課とは全く異質と言っていいだろう。
だから独自のやり方・独自のノウハウを身に着ける必要がある。
だから、中途採用が「即戦力」なんてあり得ない。
ただでさえ人件費(予算)は限られているのだから、
営業課こそ、中途採用にお金を使うくらいなら、計画的に毎年新卒採用を取り、
時間をかけて育てることが必要だと思う。
この無計画な人事については反省すべきだと思う。

最近コストダウンに注力しているが、本当にコストダウンをしたければ、
労働費用はインフレの原理に従って上昇し続けるので、
設備投資や短期アルバイトで成り立つようなシンプルな仕事の仕組みづくりをするのが、
指導者たちの責務ではないだろうか?

また、最近はジョブローテーションが流行っているが、
指導者や営業担当は中長期で考えるべきではないだろうか?
計画を組み、実行の段階で異動となれば、後任は責任を持てるわけがない。
本書の「効率的な管理とは何か?」(第20通)で読み取ったが、
多くの不確定要素を調べ精査して、それでも不安要素が残る中、大きな決断をするのが、
高給取りの指導者の仕事なんだと思う。
だからこそ、いざ実行という責任発生の工程で異動するのは、
良いとこ取りだけして痛み(責任)は他者に押し付ける卑しい行為だと思う。
そういう意味では、骨を埋めるつもりと断言した現社長は、
今まで直ぐに居なくなった歴代社長に比べて評価できると思う。

その他に営業部長、顧問、会社の指導者たちに学んでほしいと思った本書の提言を下記したい。

周囲の社員との間に不和や道義的な問題を引き起こす人物。
このような紛争を引き起こす人は、辞めて貰わなければならない。
(中略)
このような事態をいつまでも許しておく雇用主も多いが、私に言わせれば、それはズルズル延ばしである。
みんなで取り組まなければ何かを始めることはできない。
責任を譲る場合には、まずその範囲を明確にすべきだろう。
どんなに困難でも自分で下すべき決断を避けて人に押し付けてはいけない。
(中略)
優れた指導者は模範を示すことによって導く。
「船頭多くして船山に上る」
二人が主導権を争えば、たいてい無残な結果になる。

批判は気にしすぎなくていい


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

熱く語り過ぎてしまったから、あとは出来る限り簡潔にまとめよう(^^;)。
本書の第24通「批判は効果的に」で記されていた。

私の推定では批判に関する限り、聞く価値があるのは10%程度だろう。
残りの90%の人たちの動機は羨望、悪意、愚かさ、無作法である。
秘訣は、すぐさま批判者を評価することである。

休職してカウンセラーのお世話になってから、長年の辛苦の積み重ねだと自覚した。
カウンセラーからは「良く耐えてきましたね」と言われた。
その1つが批判である。

購買部長には「君を主任に昇格したのは間違いだったかな」と批判された記憶がある。
今思い返せば、当時購買課長が業務過多で限界を迎えており、
そのフォローをろくに出来なかった負い目から、
僕をバッシングすることで部下を庇うように見せかけるテクニックを行使したのだろう。
そう考えると、購買部長の戯言などで気に病む必要なんかないのだ。

他にも多くの人々に批判され、
今もココロのキズになっている事柄が多々ある。
それはなぜだろう?
考えると、傷つけられた一方、批判内容を飲み込めていないからだ。
腑に落ちていないからだ。

「すぐさま批判者を評価する」
考えてみると、僕が腑に落ちていない批判をしてきた人々は、
僕基準では評価に値しない人ばかり。
逆に僕が傷付き落ち込み休職という結末で効率を下げてしまった批判者たちは、
己の無能さを反省すべきなんだろう。

一方で、素直に反省できた批判もある。
それが優れた批判なのだろう。
僕もそういう思慮深い批判が出来る人間に成長していきたいと思う。

大切なこと


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

最後に僕が最も大切な学びだと思った内容を記させていただきたい。

人生が突き付ける挑戦に対して、
態度を選ぶ自由があることを知って、
それを行使するならば、
人生を勝ち取る率は大きく伸びるだろう。

これは「人生の幸福とは」という章で記された内容である。
本当にその通りだと思う。

努力したうえで失敗するのは恥ではないことを思い出してもらいたい。
試みなかったことが悲劇なのである。

いま、休職している事実自体に後悔はない。
なぜなら、当時全力を出し切ったという自負があるから。

本書では上記内容について、もっと詳しく分かりやすく書かれている。
もし気になった人は、是非一読してみてほしい。


ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 新潮文庫

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