休職開始日の流れ

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職1日目)

とうとう今日で暫く会社に来なくなる。
場合によってはもう会社に来ることは無くなるかもしれない。

まさかこんなことになるとは思わなかった。
いや、薄々数か月前から最悪の事態は想定していた。
でもまさか。その最悪の事態に陥るなんて。

休職なんて、他人事だと思っていた。
これから実際どうなるのだろう。
今後、どういう手続きになるのだろう。

読者によっては、いよいよ限界って人もいると思う。
でも、休職するまでのダンドリに不安を感じる人もいるのではないだろうか。
今日はそんな方に、少しでもサトウサンの体験談が参考になれば幸いだ。

部長から示されたスケジュール

昨日は久しぶりにお休みを頂いた。
LINEで連絡してくるお客様にも体調不良と伝え連絡は控えて頂いた。
営業部長からは一昨日、
「明日はとにかく休め。明後日の午後話そう」
と言われていた。

今日の午前中も半休扱いになった。
とにかくゆっくり寝てくれってことらしい。
前に営業部長との面談で相談した時とは偉い違いだ。
あの時は。

どの仕事にどれくらいの時間が掛かっているかリストに纏めてくれないと判断できない。

そう言われて一蹴されたが、今では。

とにかく今はゆっくり休め。
引継ぎの打ち合わせだけさせて欲しいのだが、少しだけ出社して貰えないだろうか。

と反応が180度変わっていた。
聞いた話によると、本当は産業医から即行休職に入れるようにと厳重注意を受けているらしい。
それを無理して伸ばしているからなのだろう。
午後の出社も2~3時間で打ち合わせを済ませ、あとは直帰扱いで良いということだ。
随分と好待遇になったものだ。

感覚で言えば、久しぶりに呼吸する時間が得られ、まともなお昼ご飯を食べることができた。
営業部長が応接室を抑えてくれているので、誰にも会わないように応接室に直行することにした。

営業部長との最終引継ぎ

まずは営業部長とのマンツーマンでの面談だった。
内容は業務の最終引継ぎ。
一昨日も引継ぎ会議はやったが、途中で切り上げになったので、今日で区切りをつける。

まずな。俺が関わるLINEを退会しろ。
あとお客様のLINEもこの場でブロックしろ。
お客様にはこの後事情説明する。
今やれ。

営業部長の配慮なのだろうか。
指示に従い、その場で仕事に関わるプライベートの連絡手段を断ち切った。

次に飛行機や電車、ホテル予約とかの会員サイトの登録を変えな。
休職中、旅行とかも行くだろ。
会社のスマホとパソコンは返却しちゃうからな。
今のうちにプライベートの連絡先に登録変更しな。

そこまで気が回らなかった。
たしかに出張に関わる会員サイトはすべて会社の連絡先で登録している。
お言葉に甘え、その場で登録変更した。
営業部長はその間、結構な時間があったが、黙って待ってくれていた。
いや、自分のパソコン業務を熟していた。

その後、業務に関する残りの引継ぎを打ち合わせた。
ただ、いろいろあり過ぎて疲弊しきっており、すべてを伝え切れたかと言われれば自信がない。

最後に、何か伝い忘れはないか?

質問の意図が読み切れなかった。

例えばどういうことですか?
業務に関することですか?

質問すると、営業部長が返答。

なんでもいいよ。何か言い残したことはない?

そう言われたので、心残りを伝えた。

営業課のみんなが心配です。
みんなも既に業務過多です。
僕の仕事を割り振られたせいで、誰かが潰れてしまったら・・・。

すでに人事部長と産業医には伝えていた。
休職しなさいって言われた時。

営業課の従業員の仕事負荷が増えるなら休めません。
だから経営側が僕の仕事を引き継ぐのが条件です。
誰か従業員に割り振るのなら、僕は休みません。

そう断言し、人事部長も産業医も承諾してくれた経緯がある。

心残りを伝えると、営業部長が声を荒げた。

そういうことじゃなくんてなぁ!
他に仕事のやり残しはないかって聞いてんだよぉっ!!!

絶望した。
結局この人は、保身のことしか考えていないんだ。
そう思わされてしまった。

何のために、あんなに頑張ってたんだろう。
営業部長から頼まれた仕事も、持てる力をすべて使って対応してきた。
求められている内容の120%を心掛けてきた。
少しでも営業部長の役に立ち、社員も会社も幸せになるように。
でも、それは無駄だったのかもしれない。

頭痛がする中、何とか考えてみた結果、他に伝えるべき業務内容があった。
要望通り、伝え漏れていた業務引継ぎを話し始めると。

営業部長は目を瞑ったまま、首を何度も縦に振っていた。
あれは寝てるんじゃなかろうか?
もういいや、僕にはもう関係ない話だ。
一通り話し終わり、「以上です」と伝えると、営業部長は退室していった。

人事部との最終面談

次に人事部が入室してきた。

サトウサン、お疲れ様。
あとは我々から今後について説明します。

まずは休職にあたってのスケジュール案を渡された。
主治医からは3ヶ月と言われていたが、約4か月分の休み方について書かれていた。
どのくらい有給扱いになるのか。
いつから欠勤になり、傷病手当金に切り替わるのか。
そういったことを一通り説明受けた。

会社のスマホとパソコンは、今この場で受け取ります。
よろしいですか?

僕はスマホとノートパソコンを引き渡した。
この時、少し肩の荷が下りた気がした。

今後、サトウサンとのやり取りは人事部長の私が窓口になります。
LINE交換しているもんね。
そこで必要事項は連絡します。
ただ、基本的にはこちらから連絡しません。
いまはとにかく、ゆっくり休んで下さい。

休職するダンドリの話になってから、初めて知った。
基本的に、休職する際には、こちらがやるべきことは何もない。
傷病手当金や有休申請、そういった最初の手続きは人事部がやってくれた。
本人記入が必要な時だけ、人事部から連絡が来る。
人事部から連絡があるまで、こちらは何もせず受け身で問題ないようだ。

そして会社をあとにした

その後、暫く雑談が続いた。
1~2時間くらい経過した。
そろそろ約束の時間を過ぎるころだ。

あの、そろそろ時間なのですが。。。
あとはどういった流れですか?

人事部長と人事部員が慌てていた。

ごめんよ。
本当は最後に営業部長も同席して君を送り出す予定なんだが、
営業部長と連絡がつかないんだ。

どうやら本当はとっくに予定を終えていたのだが、営業部長が約束の時間になっても来ないらしい。
人事部員が進捗報告。

どうやら会議中みたいです。
ネットワーク上の予定表を見る限り、空き時間なさそうです。

営業部長はどうやら、会議を優先したらしい。
結局、僕は使い捨ての駒でしかなかったんだろう。
どうしても、そう思わざるを得なかった。

もういいよ。
私たちだけで送り届けるよ。

人事部長がそう吐き捨てながら僕を促した。
聞いている限り、あと20分くらいで営業部長から営業課員に僕が休職することを伝える懐疑がある。
その時に未だ社内にいるのは避けたかった。

人事部のお二方も周りに気を配りながら僕を正門まで送り届ける。

じゃあ元気でね。
あとはこっちに任せて。
仕事のことは忘れて、いまはゆっくり休んで下さい。

「色々と有難うございます。失礼します。」
そうお辞儀して、僕は会社に背を向け歩き始めた。
空は夕焼けで綺麗だった。
ただ、薄暗く赤焼け色で、少し寂しかった。

歩き始めたら、もう振り返らなかった。
もう賽は投げられたんだ。
新しい一歩を踏み出そう。

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