20XX年〇月△日(休職から209日目)
『あれ』から約7ヶ月。
主治医から「無理のないスケジュールなら遠出してもいいですよ」と許可が出てから、
出掛ける頻度が増えた。
もちろん、無理のない範囲なので、週2日は「何もしない日」・「静養日」を設けている。
でも、上記許可を得られた同日、主治医の診断のニュアンスは、
・やっと軽躁状態が落ち着いてきた。
・やっとスタート地点に立てた。
・追加で3ヶ月休養期間を取りましょう。
と僕は捉えている。
つまりそれって、リアルに延長3ヶ月の休養で復職する可能性が出てきたってことじゃないだろうか?
だったら、残りの休職期間、思い残しが無いように過ごしたい!
もちろん、振り出しに戻っては元も子もないから、
ちゃんと週2日は「静養日」を取り、無理をしない前提で、
限られた休職期間を満喫しなければ!
毎週の宿泊旅行
ここのところ毎週どこかしらに泊まり掛けの旅行をしている。
いつもと違う環境で寝ることで、仕事をせず誰の役にも立っていない虚無感が薄れる気がした。
また、ホテルのベッドはふかふかで幅広くて、
より一層快眠出来る気がした。
お金は掛かるけど、朝から夜遅くまで、やりたいことを自由に出来る。
貯金はある。復職したらまた貯金し直せば良い。
今は出来なかったこと、やり残してきたことを満喫しよう。
ご当地グルメを堪能
まずは旅先ならではの料理を楽しむ。
いつもテレビやネット、人からのオススメなどで教えてもらい、
スマホでメモに残していたが、仕事が忙し過ぎて、とても行くことが出来なかった。
毎週の宿泊旅行では、カフェタイム、昼飯、夕飯、夜食とはしご。
朝食はホテルのビュッフェが付いていることが多く、
だいたい5食前後取っていたことになる。
ある時はデカ盛りグルメ。
ある時はテレビ特集グルメ。
ある時は有名スイーツ。
etc…。
しかし、どんなに美味しい料理でも、胃袋の容量には限界がある。
特に、30代になると、油モノが胃もたれしやすくなってくる。
せっかく楽しみだった天ぷら・唐揚げも、夜食の頃には苦行に変わってしまう。
あれ?こんなもんだったっけ・・・?
接待で一度食べて、あまりの美味しさにもう一度食べたいと思い、やって来た飲食店。
久しぶりに実食するが、思ったほど美味しくない。
時が経つほど自分自身も変わってくるから、当時の感動は蘇って来ないのかもしれない。
ずっと憧れで夢だった願いが叶ったのに、思ったほど楽しめないことに気付いた。
ご当地サウナを楽しむ
旅行に行ったら、グルメのほかにもう一つ必ず楽しむのが、サウナ。
ネット情報で話題になっているサウナ施設に行きたいが、
どうしても時間が無く行けないサウナもあった。
この休職の機に、行けなかった夢のサウナに赴きまくる。
サウナなんてどこも同じだろうと思うかもしれないが、それは大きな間違い。
施設により、特長がまるっきり違う。
だから楽しい。
あるサウナでは120℃以上の灼熱。
あるサウナでは真っ暗で何も見えない。
あるサウナでは人里離れ平原が無限に広がる。
あるサウナではラドン泉の水風呂。
etc…。
しかし、実際に夢が叶うと、だいたいこう思う。
あれ?こんなもんか。
たしかに感動することもある。
マイベストサウナ上位に入り込むサウナもある。
でも、今まで入ってきた近場のサウナでも別にいいかって思ってしまう。
サウナは究極、気持ちよく温まり、気持ちよく水風呂で冷やし、気持ちよく休憩できれば良い。
それが叶うなら、聖地と呼ばれるサウナでも、近所のサウナでも良い。
だから、最初は感動するが、終わるころには「こんなもんか」と思ってしまうのだ。
まあ体験できたからこそ分かる感想だから、そう思えること自体が貴重だと思う。
でも一方で、ずっと憧れで夢だった願いが叶ったのに、思ったほど楽しめないことに気付いた。
旅行が苦行に?
毎週旅行に行けて、ある意味、休職前の夢が叶った。
あの頃の僕が見たら、人生勝ち組って思える生活が過ごせた。
でも、ここ最近旅行から帰る頃には、楽しい思い出より、圧倒的に疲れが勝っている。
胃もたれが酷く、疲れて何もやる気が起きない。
翌日はただただ眠り続ける。
ここで気付いたことがある。
旅行は、それが日常になってしまうと、ただただ苦行になってしまうことに。
働いていた頃は、仕事で悩み疲れ果てるから、
たまに旅行に行くと環境が変わり、リフレッシュできて疲れより楽しい気持ちが上回る。
しかし、その旅行が、仕事の代わりに日常になると、
ただただ移動に体力を使い、限られた時間に行動することに疲れ、
非日常感の高揚が得られなくなる。
そうか、あの時は仕事に全力を尽くし頑張ってきた自負があるから、
旅行やプライベートな時間が充実し楽しかったんだ。
頑張れることが無くなると、例え楽しい時間を過ごしてても空虚に感じてしまうんだ。
また旅行やプライベートな時間を、本当の意味で充実させたい。
そのためにも、そろそろ社会復帰すべきなのかもしれない。
そう思い始めた。
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