上司への訴え

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職する約5ヶ月前)

もう限界だ。
これ以上は身が持たない。
一時的なら頑張れる。
でも今の状態がずっと続いたら、いつか壊れる。

だから上司には訴えてきた。
僕にやれることはやってきたつもりだ。
でも、それでも変わらなかった。

会社の状況

営業部はここ約2年間で7人辞めている。
そのうち2名は定年退職だが、他はそうじゃない。
せっかく切磋琢磨し育ってきていた生え抜きが辞めていってしまった。

急ぎ中途採用を促進しているが間に合わない。
残ったメンバーでカバーする。
育休明けで時短勤務者もいるから、仕事が熟せる人間はより限られてくる。

業績は芳しくない。
昔は好業績だったのに、気が付けば競合にシェアを取られていた。
売上増と経費削減の両方が課題になり、毎月細かい経費明細を算出しなければならない。
課長は分からないからと全て部下に押し付けていた。
業績不振で人手不足なのに、仕事量だけは増えていた。
まさに満身創痍に感じた。

営業部長との面談

営業部長との面談で言った。

業務過多です。
これ以上はもう限界です。
もう少し仕事を減らして貰えませんか?

営業部長は黙って聞いていた。
真面目に聞いていたように思う。
そして回答してくれた。

忙しいよね。わかるよ。
でもみんな忙しいんだよね。

その通り、みんな忙しすぎる。
慢性的に全員が手一杯なのが異常なんだ。
これは会社という組織の問題だ。
システム自体を改善しなきゃ変わらないと思う。
少なくとも営業部という組織体系を改革できる権限があるのは部長だけだ。
それに期待した。

サトウサン、
そんなに業務過多って言うんなら、
「どの業務」に、
「どのくらいの時間」を
使っているのか、
1週間分をリストにまとめてよ。

そうじゃなきゃ判断できない。

そんなの作る余裕はない。
既に週6日仕事をしてギリギリの状況なんだ。
そのリストを作ろうとしたら、週7日無休で働くことになる。
本当に壊れてしまう。

その時、悟ってしまった。
「あ、部長は改善する気ないんだ。」
営業部長も手一杯なのは分かっている。
そして改善するには他部署や社長との交渉が必要になり、
営業部長の負担が増えるだろう。
この人は自分の身を守るために、部下を犠牲にする気なんだ。
自分を守るのに精一杯なんだ。

でもたしかに、部下全員の業務詳細なんて把握できないだろうし。
リストを知りたいのも一理ある。
世の中の部長ってこういうものなんだろう。

あ、あとサトウサン。
来年度の事業計画案、作ってね。

え?それは部長と課長の仕事じゃないの?
毎月の上層部会議資料だって僕が作っているじゃないか。
来年度の計画案すら部下に押し付けるのか。
絶望した。

保健室への相談

ダメだ。
1週間の業務時間配分リストなんて作る余裕なんてない。
それに多分部長は何もやらない。
業務量軽減の改革は諦めるしかない。

当社には保健室があった。
入社した時はなかったが、最近設置された。
人通りの少ない場所にあったから普段はたまに素通りするくらいだった。

コンコン
「失礼します」

こうやって自分から伺うのは初めてかもしれない。

あら、珍しいですね。どうしました?

早速、本題を相談した。

先生、お願いがあります。
仕事が忙しすぎて、近い将来、
自分自身に最悪の事態が起きそうな気がするんです。
その時には自分自身では訳分からなくなってるかもしれません。
なので、今月から月1回、面談の機会を頂けませんか?
先生の目から見て「マズイ」と思ったら止めてほしいんです。

先生は真剣に話を聞いてくれ、即OKしてくれた。

そういうことなら、月1回、産業医との面談もやりましょう。
自分から予防で相談してくれて、嬉しいです。

これで良かったのだろうか?
いや、僕にはもうこれしか出来ることが思い浮かばなかった。
もちろん、自分の権限で改善できるところは改善しようと思う。
でも、上司に期待するのは無理だな。
諦めるしかなかった。

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