20XX年〇月△日(休職から177日目)
先日カウンセラーからセミナー参加を勧められた。
『自己肯定感を育むセミナー』
だいぶ回復が進んできたら、次のステップにと推奨された。
休職前、よく上司に言われた。
なぜそんなに自信がないんだ。
もっと自己肯定感を高めなさい。
そう言われても自己肯定感を高めるためにはどうすればいいんだろう?
僕にとってそれは特別なことに思えた。
上司や同僚はたしかに自己肯定感が高い人に思える。
彼らは特別で、それは天性のもので、僕には得られないものだと思っていた。
しかし、セミナーに出て学んだことがある。
自己肯定感は高めなくていい。
過度な自己否定をしなければいいんだ。
そのためには振り返る習慣化を行えばいい。
これから才能や特別なことではなく、誰にでもできることだ。
そのことに気付くことができた。
性格でなくクセを治す
個別カウンセリングで何度もお伺いした一軒家。
セミナーで来るのは初めてだ。
お邪魔すると講師の方と、受講者2名が居た。
教室のような場所ではなく、ソファーに座り向かい合って話し合うような感じだった。
講師が話し始め、受講者それぞれに問いかけていくスタイル。
最初に結論が出た。
自己肯定とは、自分が好きとか、自身があることではありません。
「ありのままの自分を許す」ことです。
ただ、ここで疑問があった。
「ありのままの自分を許す」
「いまの自分を受け止める」
そうすると改善改良されず、成長が止まってしまうのではないか?
だから、「今は理想に達していない」と思うのはいいんです。
それは事実でありフラットなので。
「今は理想に達していない、だから私はダメなんだ」と自己否定するのが良くないんです。
本来なら「じゃあどうしようか?」と思えればいいんです。
そのためにやるべきこと。
それは反省するタイミングで客観視することだという。
自己否定は過去のトラウマにより生まれた悪癖なんです。
だから、反省するタイミングでこう思うようにして下さい。
「あれ?これは反省かな?過剰な自己否定になっていないかな?」
「あ、悪い癖が出ているな」
こうやって自分を客観視、俯瞰する意識を長く繰り返し持つことで新たな習慣が生まれます。
なるほど。
過去のトラウマにより、自己否定が習慣化されていたのか。
だから、性格(先天性)ではないから新たにクセを作り直せばいい。
こう思うと、自己肯定感をはぐくむハードルが凄く低くなった。
これなら出来そうだ。
第三者の意見で気付く
セミナー冒頭で講師から聞かれた。
「自己肯定感のある人ってどんなイメージですか?」
受講者は順番にこたえていった。
まず僕から。
自己肯定感が高そうな印象の人を思い出す。
社長、営業部長、営業エース。
会議で意見を聞くよりも、自分の意見を押し通す人。
相手を言い負かすことを良しとする人。
発言力の強い人が自己肯定感高いイメージですね。
次の方が意見した。
私にとっての自己肯定感が高い人は、自分の中で静かに持っている人ですね。
さっきの方がおっしゃっていた「言い負かす人」は、逆に自分に自信がないから虚勢を張ってるんだと思います。
なるほど。そんな見方があるのか。
もしかしたら僕が「自己肯定感が高い」と思っていた人たちは、
自分に自信が無くて苦しんでいるのかもしれない。
そんな一面は想定したことなかった。
セミナー終盤でもう一人の受講者から質問があった。
私はオーバーワークによる適応障害と言われました。
私がやらなければならない。
そういう状況で仕事を頑張らざるを得なかったんです。
どこかで聞いたことある話だ。
なんか凄く親身に聞いてしまう。
個別カウンセリングもこれから受けようかなと思っています。
自己肯定感もはぐくんでいかなきゃと。
そのために私はなにをすべきですか?
何をやらなければなりませんか?
何やらただならぬ気配だった。
(あ、そっか。数か月前の僕はこんな感じだったんだ。)
その様子は明らかに静養が必要に思えた。
でも、本人だけはそれに気づいていないんだろう。
あの時、主治医やカウンセラーが「今は何もせずダラダラ過ごして下さい」って言ったのは、こういうことだったんだな。
そしてトラウマがあるから自己否定が始まる。
トラウマは当時の苦しみが解決されず、そのまま心の中に残っているらしい。
だから、「どんどん愚痴を言っていきましょう」とカウンセラーは言っていたんだな。
グループセミナーにより、講義内容だけでなく受講者の同じような境遇の人の意見も聞くことができた。
「自分だけではないんだなぁ」
「そんな視点もあるんだなぁ」
と大変勉強になった。
グループセミナーを試しに受けてみて良かったと思う。
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