20XX年〇月△日(休職から173日目)
今日は強烈な一日だった。
いや、強烈な時間を過ごした。
月1回のカウンセリングだったが、新たな次のステージに進んだ気がする。
今後は「保身」について考えていくことになるだろう。
「保身」というと悪いイメージがある。
でもカウンセラーは一蹴した。
自分を守ることは何も悪いことじゃない。
サトウサンの場合、自分を守るためには、自己肯定感を高める必要があります。
自己肯定感が低いのには、過去のトラウマが理由にあると思います。
これからはそこを見つめ直していきましょう。
自分を守るってことにいまいちピンと来ていなかった。
休職前は「忘己利他(自分を忘れて、他人のために尽くすこと)」に美徳を感じていた。
その理由は、良い「自分を守る」ことを学べていなかったからなんだ。
今日はそのことに気付き、衝撃を受ける一日だった。
やさしさの補充
主治医から先のことを考えないようにと言われて約3~4か月。
これからカウンセリングなのに、何も考えず歩みを進めていた。
だから具体的に話すことはノープランだが、自然と近況を振り返る。
そういえば、愚痴が減ってきたな。
働いていた時期が別世界のように感じ、今が「日常」になっている。
もう過去のことがどうでもよくなってきている。
今この瞬間の幸せを噛みしめよう。
いつものようにカウンセラーが笑顔で迎えてくれ、簡単な挨拶から始まる。
そこで知った事なのだが、カウンセリングルームは不定休で、
週末だろうが祝日だろうが朝から夜まで開いている。
ちゃんと休みは取れていますよとのことだが、病院みたいに営業時間が短いと思っていたから驚いた。
でもこの仕事は天職だと思っていますよ。
今までいろんな仕事をしてきましたが、
会社員はココロを殺さなければいけなかった。
この仕事はココロを生かして仕事ができる。
凄く良い言葉だなと思った。
なるほど、たしかに僕もココロを殺して業務に励んできた。
誰かのため、責任を果たすため、自分の心を誤魔化し我慢して過ごしてきた。
私の師匠から学んだことです。
カウンセリングに来る人って、「やさしさ」が無くなってしまった人なんです。
誰にも優しくされなくて、それで病んでしまった。
だから、我々の仕事はまず「やさしさ」を補充してあげることなんです。
カウンセラーは「やさしさ」を補充する仕事。
たしかにココロを生かす仕事だ。
良いことを聞き学べた。
保身と利他は両立できる?
そんな挨拶からそのままカウンセリングが続いていく。
僕は思ったことをそのまま伝え続けた。
最近愚痴は言わなくなりました。
そして休職前は四六時中考え続け分からなかったことが、
最近はあまり考えずボォーっとしてても、
「あ!そういうことか」とふと閃くことが増えた気がします。
そのうちの1つが、適応障害の再発ゼロは無理だけど、
再発率低減を図ることはできるってことですかね。
すると、カウンセラーは聞いてきた。
なぜそう思うの?
休職前のことをどう思っている?
身を削らずに仕事をする方法はないの?
カウンセラーが真顔だったので、少し怯みながら答えた
当時を思い出して怒りを覚えることはあります。
でも、愚痴を言い続けて、思ったんです。
会社もお客様も上司も自分には変えることができない。
だから自分で変えられることだけに専念したいなって。
もうこれ以上、僕のココロを他者に振り回されたくなくて、考えなくなりました。
それに当時も営業部長には仕事を減らしてくれって交渉したのですが、
結局対応してもらえず、どうしようもなかったなって思っているんです。
考えながら話していたら、気付けば下を向いていた。
カウンセラーを見ると、顔をしかめていた。
そうだったね。
改めて聞いて、やっぱり私は怒りを覚える。
その上司に。
その会社に。
そしてそういうことがまかり通っている社会に!
ちなみにサトウサンには仕事で背中を見習いたいって人いる?
その質問を考えて衝撃を受けた。
仕事がデキて凄いって思う人はいた。
仕事のテクニックを見習いたいって思う人はいた。
でも、背中を見習いたいって思う人は思いつかない。
この人凄いって思って暫く関わっていても、
途中で他者を切り捨てたり、仕事を押し付けたり、自己満足のために他人を貶したり、、、。
そういう一面が見えてしまって醒めてしまっていた。
プライベートでは顔と名前が浮かんでくるが、仕事上では全く出てこなかった。
サトウサンって、自分を守るってことに嫌悪感を覚えていると思うんです。
その理由は何かなって思っていたんですが、
「背中を見習いたい人」に出会えていないからなんですね。
【悪い保身】しか見てこなかったから、忘己利他っていう極端な価値観に染まってしまったんですね。
自分を守ることは、悪いことじゃないんですよ。
今まで気づかなかったから、凄い衝撃だった。
そうか、保身っていうと営業部長や営業課長のような、
部下に仕事や責任を押し付けたり逃げたりするイメージだった。
でも、自分を守ることで、他者も助けられるっていう道があるのかもしれない。
自分が知らないだけで、そういう道を体現している人が世の中にはいるのかもしれない。
自分の中で、次の目標が見つかった気がした。
毒とは?
カウンセラーから続けて言われた。
初めてお会いした時。
誰かを守るためなら死んでも構わないって聞いて、狂気の沙汰だと思いました。
自分を大切にするっていう頭のネジが外れてしまっていると。
だいぶ良くなってきたなと思いますが、
なぜそんなに自己肯定感が低いのでしょう。
自分を大切にできないのは自己肯定感が低いからなんです。
もしかしたらもっと過去の出来事が原因かもしれません。
そう言われて思い当たる節があった。
学生時代にトラウマがある。
僕の中では、そこから生き方がガラっと変わった。
もしかしたら、それが関係あるのかもしれない。
サトウサンは「頑張り過ぎてしまう」ことを直したいんですよね?
再発防止を図りたいんですよね?
次からはそのためのカウンセリングに入りましょう。
原因を探って、自己肯定感を高め、「良い保身」を見つけていきましょう。
そういえばカウンセリングに通い始めた理由は「頑張り過ぎてしまう病」を治すためだった。
そして再発防止のためだった。。
言われるまで、先のことを考えずダラダラ過ごし過ぎて忘れていた。
ちなみに、この話ができたのは、サトウサンが順調に良くなっていっているからなんですよ。
毒が抜けてきたようで良かったです。
「毒ってなんですか?」
思わず聞いてしまった。
愚痴を言わなくなったってことだろうか?
私の言う毒っていうのは「自己犠牲」のことです。
サトウサンは平気で自分を犠牲にしてでも他者のために尽くそうとしていた。
身を削っても、死んでも構わないって感じだった。
それが私には「猛毒」に思えたんです。
そうか。
自分を大切にする。
本来なら当たり前のことが分かっていないから、「自己犠牲」を毒って表現したのか。
今なら少し分かる気がする。
次回からのカウンセリング方針が決まった。
さらに自己肯定感に関するセミナーを受講することになった。
大丈夫。着実に前進できている。
少し空が明るく感じた。
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