忘れられた存在

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職から143日目)

休職してもうすぐ5ヶ月。
最近思うことがある。

過去にどんなに頑張っていても、
過去にどんだけ貢献していても、
過去にどんだけ感謝されていても、
会わなければ人は忘れていく。

よくドラマや小説で見聞きする。
「人はいつ死ぬか?肉体が滅びた時ではない。忘れ去られた時だ。」
これは一つの真実だと思う。
だから、生きていても、死んでいる時があるんだと思う。

今回はそう思う機会があった。
だからこそ分かったことがある。
会社のために命を張る必要は無いんだと。
誰かのために自分を犠牲にしなくても良いんだと。
もっと自分の好きなように生きてもいいんだと。
少し吹っ切れた気がする。

聞いてた話と違う

今日はイベントに出掛けることにした。
営業エースから、プロジェクトの成果が発表されると教えて貰った。
どうやら比較的近くで開催されるようなので、そこに行ってみることにした。

でも、大きなプロジェクトだと聞いたから、もしかしたら他の会社の人もいるかもしれない。
その時は気付かれないように遠目から見よう。
でも、もし気付かれちゃったら・・・。

その時は挨拶だけして足早に帰ろう。
失礼だけ無いように。
覚悟を決めて向かった。
ドキドキする。

・・・?

教えて貰った場所に行ってみる。
たしかにココだよな??
でも、何もない。
そこに行ってみたが、イベントらしい賑わいなど一切なく、閑静な日常が漂っていた。
どういうことだ?

忘れ去られていた

うーん、どうしよう。
変に営業エースに連絡しても嫌な思いさせちゃうよな。
でも、軽い口調ではあるが、イベント行って写真撮るって言っちゃったしな~。
一応、場所が分からなくて写真撮れなかったって詫びておこう。

ごめん。前に連絡くれたイベント。
場所が分からなくて写真撮れなかった。

すると直ぐに返信が来た。
さすが営業エース。
レスポンスが早い。

あ、ごめーん(汗)
別会場に変更になったの言うの忘れてた。

どうやら僕は忘れ去られていたらしい。。。
別会場は遠方だったので、行けない旨を伝えた。

そっか、もう僕は過去の人なんだ。

自分のためだけに休んでいこう

ずっとココロのどこかで思っていた。
休職しちゃって迷惑かけちゃった。
休職しちゃって皆に申し訳ない。
会社は、事業は、みんなは大丈夫だろうか?

でも、あれだけ相談してきた人々は、業務命令だからか誰からも音沙汰は無い。
どうやら何事もなく会社は回っているらしい。
そして、頼られているって思い込んでいたけど、
もう僕のことなんて忘れているみたいだ。

僕は自分勝手に会社のために尽くしてきたけど、独りよがりだったのかもしれない。
あれだけ責任を果たそうと死ぬ気で働いてきたけど、
守ろうとしてきた何かは、思った以上に淡く、ドライだった。

(そっか。会社なんて、ビジネス上の繋がりなんて、
どんなに長い時間を築いても希薄なものなんだ。)

だったらもう、我慢しなくていいじゃないか。
もっと自分の生きたいように、やりたいように過ごしていいじゃないか。
人に多大な迷惑さえかけなければ。
もっと我儘になってもいいかもしれない。

自分のためにゆっくり休もう。
ちょっと自分を許せた気がする。

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