初めてのカウンセリング

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職から19日目)

先日主治医に薦められたカウンセリングを予約してみた。
保険適用外なので、60分で4桁も掛かる。
かなりの出費だが、少しでも現状打破できればと思い、
藁にも縋る気持ちで試しに行ってみることにした。

「サトウサン、初めまして」
そこには穏やかそうな男前が立っていた。
今日はよろしくお願いします。

部屋に案内される

カウンセリングルームって、
もっとオフィスビルの会議室のようなイメージをしていた。

通された部屋は落ち着いており、
窓からは緑豊かな庭が見える。
まるで避暑地の別荘に来たような気分になれた。

そっか、心が穏やかになれるのか。
部屋の作りから話しやすい環境だと感じた。

カウンセリング開始

部屋に入ると簡単に雑談をしてから、
さっそくカウンセリング開始。

初回カウンセリングは、主治医の初診と結構似ていた。

「ご両親との関係は良好ですか?」
「学生時代の交友関係はどうでしたか?」
「交友関係でトラウマはありましたか?」
「今までの社歴を教えて下さい。」
「休職になった経緯を教えて下さい。」

この時に気付いたことがある。
今回の休職は業務過多や取引先からの圧力等が原因と思っていた。
しかしカウンセリングをしていくうちに、
過去のトラウマが心のダメージとして蓄積されて今に至っていた。

印象に残った言葉

最後の方にカウンセラーから言われた。

「なぜそんなに人を庇うの?」

その顔は真剣そうで、少し悲しそうだった。

「サトウサンが傷付いているんですよ?
 なのになぜ上司や取引先を庇うんですか?

正直この質問には戸惑った。
今までずっとこうだったからだ。
世の中白黒付くことなんて少ない。
きっと上司や取引先にも事情があったと思う。

だから100%自分が正しいなんて思わない。

するとカウンセラーが言った。

サトウサンは自分が思っている以上に重症なんです。
例えるならトラック3台に連続で牽かれ重体なのに、
駆け付けた救急隊員に、
「僕はいいから運転手を責めないで上げて下さい。」
とトラック運転手を擁護しているような異常な状態なんです。

この言葉は衝撃だった。
そんなのお構いなしにカウンセラーは続けた。

「自分を大切にするって
 機能が完全に壊れています。」

「これからは自分を大切にする
 っていうのはどういうことか

 一緒に探っていきましょう。」

そうだったんだ。
僕は他人を優先するあまり、
自分を大切にできていなかったんだ。

好きな言葉は『忘己利他』だ。
自分のことは忘れて他人を利することを心掛けてきた。
でも誰かが言っていた。

「自分を大切にできないと
 他人を大切にできないよ?」

そうか。
これは神様が与えてくれた機会だったのかもしれない。
これからは、
自分を大切にして、他人も大切にする
いや、
自分の幸せを通して、他人を幸せにする
これを学んでいくタイミングだったのかもしれない。

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