違う景色が見えてくる

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職から205日目)

もう休職してから半年以上経つのか。。。
友人と訪れたエリアは僕の中では都会。
最寄り駅から約10分移動すれば商談で毎月来ていた。
人混みのなかを必死に掻き分けて移動し、立派なビルが乱立している感じだった。

それなのに、今いる場所は全く知らない景色。
昔ながらの街並みって感じで、庶民的な落ち着きを感じる。
たった約10分移動するだけで、こんなにも景色が変わるものなのか。

もしかしたら、いま僕が見えている世界は限定的なもので、
同じ視界でも、見方を変えれば全然違って見えてくるのかもしれない。
意外と人は、もっと自由で、生きてさえいれば何とかなるのかもしれない。
そう思わせてくれる一日。

都会近郊で落ち着く喫茶店が存在したんだ

友人と遊び散策した後、少し疲れたからと喫茶店へ。
個人的には実は驚いていた。
見つけた喫茶店は純喫茶って感じで落ち着いていながら、
そこまで混んでおらずほどほど静かで、長居しても居心地良さそう。

電車で約10分移動しただけでこんなに違うのか。
僕の知る約10分移動した先の都会は、近代的でオシャレな喫茶店が多いイメージで、
人が多過ぎて騒がしく、落ち着いて長居出来る感じではない。

注文したケーキとコーヒーも絶品。
友人と二人でぼんやりと過ごす。
隣の席には、どこかで見たことある顔だなと思っていたら、
よくテレビで見かける有名お笑い芸人だった。
話を聞いている限り、テレビスタッフとひと息ついている模様。
いつもテレビで見る時と違い、リラックスして休んでいる感じ。
ゆっくりとした時間が流れていた。

そう、時間の流れが違う感じがする。
電車で約10分移動しただけなのに、1分1秒すら急かされる場所から、
まだ昭和のまま止まっているかのような、ゆっくりとした場所に移動出来た気がする。
そう考えると、少し歩みを変えるだけで、
自分のペースで生きることも許されるのかもしれない。

こんな親切食堂があるのか

次にお腹も減ったので食堂へ。
ここも昔ながらの食堂って感じで落ち着く。
驚いたのは食堂の親切心。

上記写真見て分かる通り、ランキングなど他の店にはないような手書き感満載のコラム。
これがメニュー表にある。
メニュー表は見たことも無いくらい分厚いのだ。

ご飯の分量まで写真付きで分かりやすく載ってある。
初めて入るお店だとご飯をどう頼めばいいか悩むことはたしかにある。
これがあれば自分に合った分量で注文しやすい。
もしかしたら残飯も減りフードロス削減にもつながる。

これこそ「人にも社会にもやさしい」経営の在り方だ。
ささやかかもしれないが、僕は凄く感動した。
そう、僕は「人にも社会にもやさしい」仕事がしたかった。
気付けば、会社から「自社利益最優先」という考え前提の仕事ばかり降りてきて、
お客様や関係者に罪悪感を持つことが増えていた。

もっと自由なのかもしれない

平日に友人とビールとともに定食を味わう。
少し前まで考えられない光景。
平日どころか、土日も仕事に追われ、こうして時間を気にせずのんびり過ごすのはあり得なかった。

僕の知っている都会から電車約10分で、こんなに長閑な時間が流れる場所がある。
少し見方を変えるだけで、少し歩みを変えるだけで、
今まで見えてきた景色や価値観とは全然違う広い世界があるのかもしれない。

休職してから思ったことは、罪悪感と虚無感。
最期まで成し遂げられなかった挫折感と喪失感。
約10年間、人生をかけて必死に積み上げてきたものが全て失われたような感じ。
あとは言語化できない抑うつ感に苛まれてきた。

でも今、こうして友人と、のんびり食事を楽しめている。
これは働いていた時よりも幸せなんじゃないだろうか?
失ったものも確かにある。
でも、失ったものだけではないはず。
今日が人生で一番若い日。
今日からリスタートしたって、自分が求める幸せは手に入れられる。
大丈夫って、そう思った。

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