20XX年〇月△日(休職から447日目)
今日の気分:5/10
焦燥感:普通
疲労感:普通
抑うつ感:普通
自責感:不調
イライラ感:好調
今日の充実度(重要度):5/10
休職して約15ヶ月。
『あれ』から、すでに1年以上も経過してしまった。
いま僕は、電車に揺られ会社に近付いて行っている。
昨日、産業医からも復職許可が出た。
これでとうとう復職が決定した。
休職当初は3ヶ月だけだったのに、ずいぶんと時間が掛かってしまった。
会社からは翌日から復職の要請。
思い出に浸る暇もなく通勤している。
もっとドラマチックだと思っていた。
そりゃそうだ。
自分にとっては人生の大きな分岐点になったのだから。
でも、それはあくまで自分だけ。
社会はドライだった。
何事もなく回っている。
休職の終わりはあっけなかった。
でも、自分がどう思うかは自由だ。
もしかしたら、客観的には無駄な1年間だったと思われるのかもしれないし、
現実は残酷で悲観的なのかもしれない。
それでも僕は敢えて前向きに捉えよう。
ドラマチックに捉えよう。
この1年間は挫折したからこそ、人として大きく成長できたと。
そして明るい未来への再出発だと。
『オレたちの冒険はこれからだ!』
通勤練習の効果

いつもより早く目が覚めた。
でも寝不足感はない。
ここ2週間で、以前より早く就寝し、早起きが少しだけ苦じゃ無くなった。
おかげでのんびり身支度を終え、マイペースに電車へ。
電車の中でも、焦燥感や不安は軽かった。
朝の人の多さゆえの窮屈感も慣れてきた。
最寄駅に着いて会社まで歩いていっても、焦りや不安,緊張は小さい。
2週間の通勤練習はやって本当に良かったと思う。
練習期間は感情の起伏が大きくなり、毎日疲れ切っていた。
5日間継続して、翌日はベッドから起き上がれなかった。
通勤練習を毎週5日間もやっていたのはボクくらいらしいが、
そのくらいやることをオススメする。
そうすると、復職初日はだいぶココロのハードルが下がる。
浦島太郎

会社に着くと、いきなり会議。
なんとかついていける。
もちろん1年も離れていたし、新しい部署だから、分からないこともある。
でも、話の大筋から、何が目的で、何が目標で、何が課題か、
どうすればいいかなどは見えてくる。
会議が終わると、新しい上司は別の会議があると言って居なくなる。
挨拶回りは待ってほしいと言われ、過去の荷物の片付けとパソコン設定をやることに。
荷物を片付けていると、かつて取り組んでいた仕事の数々を思い出す。
しかしそれはもう過去のこと。
現在の担当者に確認とって、全部廃棄。
そしてパソコン設定へ。
以前は使いこなしていたシステムの数々が全く分からなくなっている。
その事実にショック。
そして人事通達を見ていると、同僚たちはこの1年間だけで出世していた。
今までずっと停滞気味だったのに。
まるで玉手箱だ。
ひとり、置いてけぼりを食らっている。
もう僕は用済みなんじゃないか?
要らないんじゃないか?
現実に打ちのめされる。
仲間たちの支え

隙間時間に上司に許可を取り、独りで挨拶回り。
すると、多くの人が大きなリアクションと笑顔で挨拶してくれた。
サトウサン~!久しぶり~!
これからまたよろしく!
のちほど上司が会議を終えて、一緒に挨拶回り。
社長や取締役に挨拶。
変わってないな!
キミにとって天職だと思う部署だと思う。
そしてこれから会社としてチカラを入れていく部門だ。
キミには期待している!
無理せず焦らず行こう。
そして雑務とパソコン画面を眺めるだけで初日終了。
自分だけ時短勤務で退社。
あまりの申し訳なさに、誰にも気づかれずに消えたかったが、
筋を通さなきゃと思い、隣席の人に小声で挨拶。
すると何人かが大声で笑顔で言ってくれた。
サトウサン!お疲れ!
また明日ね!
許してくれるんだ。
ココに、居て良いんだ。
会社を出て電車の中、スマホを見ると、会社の人から。
「おかえり。」
そしてデイケアの仲間たちからもLINE。
「サトウサンなら大丈夫。」
それ以外にも数多くの温かい言葉が、何人もから届いた。
そうだ。
会社では後れをとっちゃったけど、
贈れた1年間で、僕は多くのモノを得られた。
ココロから安心できる居場所ができた。
何でも話せて認めてくれる仲間たちができた。
そして、自分が一番大切にしていることに気付けた。
自分の健康。
ゆとりある時間。
そして感謝を忘れず相手を大切にすること。
これさえあれば、僕は幸せだ。
あとは、おまけでいい。
大丈夫。この1年間で、ちゃんと気付けた。
もうそれらは手元にあるんだって。
大丈夫。やっていける。
明日も頑張ろう。
いってきます。
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