頑張ってたあの頃

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職する約3ヶ月前)

「お前しか出来る奴がいないんだよ!!」

営業部長が力強く言ってきた。
当社がずっと進めてきた大きなプロジェクトだ。
これの成功可否で事業計画が達成できるかどうか決まってくるだろう。

これを無事完遂できれば、会社のみんなの負担が減らせるかもしれない。
みんな笑顔になるかもしれない。
何より、お客様のために仕事ができるようになるかもしれない。

「よーし!やってやるぞ!!」

望む未来

新入社員の時には夢があった。
『やさしい仕事をしたい』
『人の役に立つ仕事がしたい』
『人の幸せを通して自分も幸せになりたい』

僕は正直、短期業績とか成績とかはどうでもよかった。
就活で出会った好きな本の影響だ。
誰かを幸せにした結果、気付いたら業績が伸びている。
会社のみんな笑顔で仕事している。
これが出来たら最高じゃないか。

ここ最近は余裕がない。
社員が無理をしないと仕事が回らない感じだ。
全力を尽くしているのに、充実感は少ない。
毎月数種類の会議資料を作り、
その都度「なぜ未達なんだ」と責められる。

時には「お客様から駆け込み注文貰ってこい!」と自己中心的な指示が下りる。


人の役に立つ仕事がしたい
人の役に立つどころか、
自分のため、いや会社の自己都合のために、
お客様に無理を言って迷惑かけ、
会社の仲間にも無茶な要求で消耗させる。

気付けばお客様や会社の仲間には後ろめたさが生まれていた。

過去の経緯

そもそも営業部長から頼まれた大きなプロジェクトには前任者がいた。
その前任者が全力を尽くした結果、
今回のプロジェクト案件を獲得できた。

その前任者はどうしたのか?

会社を辞めたのだ。
生え抜きで愛社精神のある人だった。
そういえば最近1~2年で営業部隊が数人辞めている。
少し前まで離職率ゼロと謳っていたのに。

僕は既に最大手のお客様を担当していたので、
プロジェクト前任者が辞めた後、
その案件は営業課長が引き継いでいた。

急な前倒し

営業部長からは1~2か月後から徐々に、
プロジェクトを課長から引き継ぐ予定と言われていた。

しかし今、予定が変わった。
1週間後に担当交代の挨拶をしに伺い、
そこから完全に切り替わることになった。

どうやらお客様から社長に直接クレームが入ったようだ。

「営業課長の〇〇さんじゃ
 仕事にならないから、
   今すぐ担当変えて!」

それで社長が営業部長に激怒。
早急に僕に白羽の矢が立ったようだ。

幸い、今回の事例に似た大きなプロジェクトを実現させた経験がある。
他の営業担当がお手上げだったお客様を担当し続けてきた自信もある。

僕ならできる!
営業部長も期待してくれている。
今こそお客様にも会社のみんなにも喜んで貰える仕事をするチャンスだ!
よし!やるぞ!頑張るぞ!

僕は情熱に燃えていた。

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