20XX年〇月△日（休職から68日目）
休職すると他人の目が気になることがある。
学生時代の旧友など、なんて思われ、なんて言われるのだろうと。
え？いまニートなの？ｗｗｗ
みんなは当たり前のように働いているのに、それすらできないって言われるのではと怖くなる。
特に、独身だと「結婚すらできないのに、仕事もできないのかよｗｗｗ」と言われるのではないかと怖さ2倍だ。
でも、これは心配しなくていい。
そう思っているのは実は自分だけ。
他人は良くも悪くも僕のことなど気にしていない。
もし悪い方向に行くとしたら、誤魔化した時だ。
正直に話せば、大抵の人は分かってくれる。
逆に、もし正直に話しても悪く言ってくる人がいたならば、
その人とは縁を切るべきだ。
その一瞬は辛いかもしれないかもしれないけれど、
人脈での負債を見つけられた、
悪い縁を見つけ断ち切れたと思えば、
長い目で見て、早く悪性腫瘍が見つかって良かったと思える。
約1年ぶりの再会
学生時代の友人と1年ぶりに再会した。
僕含め4人組で、一人は友人Dで何度も会っているが、残り2人は約1年ぶりだ。
その二人は結婚してから、自然と会えなくなった。
友人Dは僕が休職していることを知っている。
友人Dが気にして僕に聞いてきた。
お前が休職していること、二人には話すの？
僕は悩んだ。
僕は所謂やられ役、からかわれるタイプで、
休職のことを話したら、からかわれるのではないかと不安だった。
このことは、僕の中では冗談では済まされない。
でも、内緒にするのは何か違う気がする。
友人だったら、正直に話したい気持ちもある。
うーん。
二人から「最近仕事どう？」って聞かれたら、全部話すわ。
でも、お互いの近況の話が出なかったら、わざわざ話を切り出す必要はないかな。
こう結論づけた。
もし近況を聞かれなければ、わざわざ言わなくてもいい。
きっと、近況を話し合いたくないってことだから。
でも、近況を聞かれたら、正直に話そう。
そう覚悟を決めた。
人は本来温かい
みんなで待ち合わせ、まずは映画を見た。
暫くは映画の話だけで、それ以外の話は出なかった。
このまま何事もなく終わるかな。
昼食の時も映画の話で終わった。
その後のカフェでのことだった。
映画の話もひと段落し、他の話題に。
そういえばサトウサン。
最近仕事はどう？
大丈夫？
やはり聞かれてしまったか。
大丈夫。覚悟はできている。
正直に話した。
今休職していること。
何があったのか。
どうして休職に至ったか。
正直に話した。
そうなんだ。
思った以上に無反応。
いや、自然体だった。
まるで普通に仕事をしている時の会話と同じ反応だった。
それが逆に嬉しかった。
いやぁ、むしろ休んで良かったよ。
前に話を聞いたときに思ってたけど、異常だもん。
それでいつ転職するの？
もう辞めちゃいなよ、そんな会社。
そういえば映画以外の話題になった時、
近況の話になった時、真っ先に僕に聞いてきた。
どうやら皆心配してくれていたようだ。
4人の中で、一番過酷な仕事をしているというのが全員の共通認識だったようだ。
逆に休職したことに安心したようだ。
そして会社が悪いというのが友人の感想だった。
みんなからかうどころか、怒ってくれた。
嬉しかった。
普通の人は知人を思いやる。
赤の他人ならともかく、知っている分、気にしてしまうのが人情だ。
だから、休職したことを秘密にする必要はない。
休職したことを恥じることはない。
正直に話して、理解者が増える方が良い。
相談や愚痴を聞いてくれたり、協力してくれるに違いない。
大丈夫。
きっとわかってくれる。
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