小さな夢を叶えていく

休職日記(休職の心得)

20XX年〇月△日(休職から50日目)

休職して時間ができた。
今のところ、主治医からは3ヶ月の休職と診断されている。
せっかく時間ができたんだ。
やりたいことをやらなくちゃ!

僕は「やりたいことリスト」を作った。
今まで忙しすぎて出来なかったことを、只管に思いつく限り綴った。

そうやって書いていて思い出した。
ずっと行きたいと思っていたサウナがあることを。
金額も安くはなく、立地も気軽に行ける感じではなかったので、諦めていた。

時間が出来た今こそ、行ってみよう。
今しか出来ないから。
もう失ったモノは帰ってこないから。
後ろばかり振り返るのではなく、全力で前を向いていこう。
後で後悔しないように。

行動すれば得られるものがある

ここに来なければ、こんな絶景は見れなかっただろう。
電車で長時間揺られ続け、駅に着いたら送迎車で移動。
スケジュール調整など事前準備が必要だし、ここに来るまでそれなりの覚悟が必要だった。
サウナのみ利用もできず宿泊込みなので、まあまあの出費も必要だった。

送迎車が目的地に到着。
目的地は山を登り続け、村の奥地にあった。
道が凄く細く、これは大型車では入れない。
改めて車でなく電車と送迎車を選んで正解だった。
部屋に荷物を置き、水着着用でさっそくサウナへ。

手作りのサウナ室は、薄暗く厳かな雰囲気。
まるで外界から隔絶されたような静けさ。
座禅を組むように、自分と対話し、自然と調和し、からだを温めていく。
風通しも良いのか息苦しくなく、気持ちがいい。
何時までも入っていたくなる。

そして水風呂に入り、外気浴。
ここはサウナ小屋の屋上に登り、リクライニングチェアから絶景を堪能。

都会では見られない絶景が広がっている。
サウナは貸し切りなので、誰も人は来ない。
鳥のさえずりと、近くを流れる川の音だけ。

僕、いま、自由だなぁ。

約2ヶ月前まで、いつも何かに追い込まれていた。
納期。
責任。
仕事量。
上司。
お客様。
関連部署。
いつも閉塞感があり、週7日、夜11時半まで働き続け、身動きができなかった。

でも、本当は人間誰でも自由なんだよなぁ。
欲張らず、ちょっと手放せばいい。
それだけで身近な幸せに気付ける気がする。

朝は来る

そのまま宿泊し翌朝。
自然な風景を眺めながら朝食。
初めて訪れたのに、田舎に帰ってきたような懐かしさを感じる。

都会の喧騒とは違う、のどかで静かな朝。
約2ヶ月前、死ぬ覚悟で仕事に励んでいた。
「これでダメだったら死んで償おう」
そこまで追い込むくらい死力を尽くして責任を果たそうとした。
でも、少し手放せば、朝はこんなに希望に満ちている。

少し距離を置くだけで、空気もこんなに美味しいのか。
幸せはこんなにも目の前にあったのに。
なぜ気付けなかったのだろう。
いや、全力を尽くしてきたから、今この瞬間が幸せに感じるんだろう。
そう思うと、少し目が霞んだ。

行動すれば次に進める

忙しすぎて無理だろうと思っていた場所に行くことができた。
諦めていた小さな夢が叶った。
いくら休職中でも、「遠いから」・「お金がかかるから」と言い訳していたら行けなかっただろう。

おかげで多くの経験が出来た。
時間は自分が気付けば早くも遅くもなること。
幸せは気付けないだけですぐ傍にあること。
本当は人は自由であること。
行かなければ知ることも体感することもできなかった。

そして今は「次何やろうかな」と前を向けている。
いつも全力を出してきたから、前を向けているのだろう。
全力を出すというのは、行動するということかもしれない。
行動してきたから、蓄積された「やり残し」が少しずつ片付けられ、
新しい夢や目標が見つけられる。
そして、人として成長し前進できるのだと思う。

だからまずは行動しよう。
ただ、気のせいか少し疲れた感じもするけど。
後ろばかり見るよりも、前を見る方が景色は広いから。

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