20XX年〇月△日(休職から147日目)
いまは何も考えずゆっくり休もう。
先のことは考えない。
主治医にも言われたし。
「いま」を噛みしめよう。
そんな時、あるきっかけでふと思う。
そうか、会社のおかげで、今の僕があるんだ。
僕を育ててくれた1つは、会社なんだ。
復職は怖い。
また痛い目に合わされるかも。
でも、あと1回だけ、頑張ってみようかなと今は思っている。
忘れ去られた存在
かなり昔に会社がプロジェクト企画を実施すると聞いた。
ちょうど近所だ。見てみよう。
しかしどこを探しても、企画は見つからない。
教えてくれた人に連絡してみた。
あ、それ変更になった。
言い忘れてた。
ごめん。
ここで気付いた。
もう僕は過去の人なんだな。
たぶん、僕のことを覚えている人はいないのだろう。
自分だけの幸せの道を探しても、もういいのかもしれない。
転職活動してみようかな。
そう前向きに考え始めていた時だった。
親からの連絡で気付く
母から電話があった。
病院から呼び出しがあってお父さんが出掛けちゃったの。
何があったのか良く分からないし、どうしましょう。
ちょっと慌てているようだった。
父は体調が芳しくなく公共交通機関で病院にむかったらしい。
取り急ぎ簡単に身支度して実家に向かった。
状況を自分なりに整理。
どうやら僕が車で病院に向かい、父を見つけ、一緒に話を聞けば解決しそうだ。
母もその方法で納得している。
あとは行動あるのみだ。
急ぎ車のキーを借りて病院へ向かった。
病院で人に尋ねまくり、父を発見。
医者に事の経緯を聞き、事無きを得た。
父を助手席に乗せ車で帰宅。
母に報告し終了。
本当に助かった。
ありがとう。
わたし運転できないから困ってたわ。
母から感謝を聞き、気付いた。
(そういえば、僕も昔はペーパーだったんだよな)
学生時代に免許を取り直ぐに運転したが、対物事故を起こした。
それ以来運転することはなかった。
しかし、営業課に入ってから、車に乗れないと仕事にならなくなり、ムリヤリ運転したんだよなぁ。
上司が助手席に乗って、絶叫しながら教えてくれたっけ(笑)。
家族によく行動力と判断力を褒められるけど、これも会社でトラブル対応で身に着けた術だ。
そうか、僕は会社のおかげでここまで人として成長できたのかぁ。
復職優勢の理由
ここ最近は転職活動始めなきゃな~って思ってた。
でも、やっぱり復職しようかなって思う。
だって、会社のおかげで僕は人として、ここまで成長できたから。
辛いことは沢山あった。
でも、辛いことも含めて、チャンスをくれなかったら、人として成長することはできなかった。
会社が仕事をくれたから、ここまで歩いてくることができたんだ。
車の運転では対物事故を起こしたこともあった。
その時も会社の保険で負担してくれた。
研修も受けたけど、それも会社が負担してくれている。
会社は僕に出資してくれていたんだ。
それなのに、ここで転職したら、それって裏切り行為じゃない?
ここまで資源を費やして育ててくれたのに、育ったら別の場所に還元するって。
それこそ僕の価値観「隣人を愛する」に反しないか?
ふと会社の人たちがくれた言葉を思い出す。
プレッシャーには感じないでほしいけど、もし可能なら、もう一度一緒に働きたい。
…僕も、もう一回、一緒に働きたい。
営業課長が助言をくれた。
「もっと人に仕事を振りなさい」
人に仕事を押し付けないと生き残れないのだろう。
でも、助言を理解したうえで、僕はそれをやらない。
出来る限り、人のために自分の資源を費やしたい。
もう1回だけ、頑張ってみよう。
もしかしたら、また会社に潰されるかもしれない。
怖い。
でも、その時はその時だ。
次潰されたら、その時辞めればいい。
その時は労災で訴えればいい。
だからもう1回だけ、自分なりに頑張ってみよう。
ラストチャンス、社員のために頑張ろう。
今はそう思っている。
コメント