20XX年〇月△日(休職から112日目)
働いている時はよく考えていた。
「責任は誰かじゃない。自分が負わなきゃ」
「いつまでも落ち込んじゃダメだ。」
「早く前向きに問題に向かい合おう」
「愚痴なんて言うもんじゃない。我慢。」
「怒っちゃダメだ。大人にならないと」
「無駄を無くせ。早く片付けないと。」
みんなも分かるんじゃないだろうか?
漠然とだが世間一般的に「負(マイナス)の感情」は悪。
「正(プラス)の感情」は正義って風潮ない?
でも、休職中は「負(マイナス)の感情」に溺れていいと思う。
だって、責任からも立場からも解き放たれて、素っ裸だから。
主治医に言われたこと
今日は通院日だ。
何度目だろう。
前回は「同じようにダラダラ過ごして下さい」だけだった。
これで1か月以上ダラダラ過ごしている。
サトウサン、こんにちは。
その後いかがですか?
主治医から定型文のような冒頭挨拶。
そういえば、1か月前はこの質問に対し、事前に話すことをメチャクチャ考えてたなぁ~。
時間を無駄にしないようにって。
前に「あまり先のこと考えずにいきましょう」と主治医に言われてから、
事前に回答を考えなくなった。
思いついたことを話す。
そうですねぇ~。
基本かわらないですね~。
ゆっくりのんびり過ごせてると思います。
あ!
そういえば最近は気落ちする日がたまにありますね。
意外なことに主治医の表情が変わった。
どのくらいの頻度ですか?
気落ちした時はどうしてますか?
どのくらいの頻度だろう?
週2~3日くらいかな?
気落ちした時、どうしてるだろ?
気落ちした時は家族とか誰かに話してますかね。
でも誰にも話せない時も多いから、その時は自分自身と対話しています。
なんていいますか、もう一人の自分とココロの中で対話する感じですね。
そして、前向きになれるようにココロを落ち着かせています。
主治医の表情が和らぎ、穏やかにおっしゃった。
そうですか。
ではまた2週間くらい、同じように過ごして下さい。
あと、落ち込んだ時は無理に前向きになろうとしないで下さい。
落ち込んでいいんです。
どんどん落ち込んでいきましょう。
(@◎@;)驚きだった。
今まで生きてきて「どんどん落ち込んで下さい」って言われたのは初めてだ。
今だから『マイナス』でいい
今までの人生、「プラス」に生きるように学んできたと思う。
本を読んでも「愚痴をいうな。前向きであれ」といったような成功者のお言葉が書いてあった。
学校や会社といった組織のなかで生きてきても、「マイナス」≒「悪」という印象がある。
なぜなら、「マイナス」なことを考えると、
「マイナス」なことが行動に現れ、
他者から反発を受けるからだ。
生きるために学んだ処世術とでもいうのだろうか。
しかし、休職してから主治医にもカウンセラーにも「マイナス」なことを推奨された気がする。
どんどん愚痴を言って怒りを露わにしてください。
何もせずダラダラのんびり過ごして下さい
無理に前向きになろうとせず、どんどん落ち込んで下さい。
僕は所謂過労で精神疾患になった。
精神の治療には、今まで否定してきた「マイナス」なことが必要らしい。
そうか。
いままで「マイナス」なことを控えていたのは【生きるための処世術】だったからなんだ。
人は独りでは生きていけない。
完璧な人間など存在しない。
だから、人と関わっていく必要がある。
そして組織・集団と過ごす必要がある。
つまり、集団で生きていくために「マイナス」なことは控えていたんだ。
他者がいるから、「マイナス」はNGなんだ。
休職中のいまはどうだろう?
組織での立場もない。
組織での責任もない。
孤独だ。素っ裸だ。
あれ?他者はいないじゃないか!
迷惑をかける人は誰もいない。
だから、今はいいんだ!
休職中は独りだから、誰もいないから。
だから今は「マイナス」でいいんだ!
今まで耐えてきた分、いまはダメ人間に甘えよう。
今は最大限、自分を甘やかしてあげよう。
頑張ったね。お疲れ様。僕。
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